電子番組表の運営会社として知られるRovi(ロヴィ)は7月27日、iPad専用アプリ「G-Guide for iPad2.0」をリリースした。昨秋リリースしたVer.1.0の基本デザインはそのままに、表示するチャンネルをユーザーが任意に選択できる「Myチャンネル」をはじめ、iPadの「アラーム」やソーシャルサービスとの連動など、多くの機能を追加した。価格は250円で、既存ユーザーは無料アップデートが可能だ。
G-Guideといえば、Blu-ray Discレコーダーなどに多く採用されている定番の電子番組表。iPad版では、地上デジタル放送とBSデジタル放送をカバーし、8日分の番組データを参照できる(一部放送局は『特集番組』で1カ月先までの情報も参照可能)。黒地に白抜き文字の画面は、「認識しやすく、目が疲れにくい」(同社)というもの。また、放送局から提供されるビジュアルをふんだんに使ったスタイリッシュな画面も特長だ。
新しい「Myチャンネル」は、地域や放送波(地上/BS)をまたいで任意の局を選び、ラ・テ蘭タイプ(新聞のラジオ・テレビ欄スタイル)の番組表を組み替えるというものだ。「例えば県境近くに住んでいる人やCATVユーザーは複数エリアの放送を視聴できることがあります。従来は『設定』で県名を選んで表示を切り替える必要がありましたが、今回は1つの画面に両地域の放送局を同居させることができます」(Roviの岩永朝陽シニアプロダクトマネージャー)。
ユーザーはまず、設定の「地域設定」で「編集」から「地域を追加」する。例えば都内に住んでいるが、千葉県の放送局も視聴できるなら、東京と千葉を登録しておく。さらに「Myチャンネル登録・削除」で参照したい放送局名にチェックを入れたら完了だ。番組表画面で「Myチャンネル」を選択すると、「テレビ東京」や「TOKYO MX」と並んで「チバテレビ」が表示される。もちろんBSデジタル局を混ぜたり、逆に視聴する機会の少ない放送局を表示しない設定も可能。並べられる放送局は最大20局で、画面からはみ出している部分も横スクロールで表示される。
裏番組のチェックに便利な「現在番組表」は、iPadの画面を利用してビジュアルをふんだんに取り入れた。番組の画像はもちろん、その下には残り時間が一目で分かるインジケーターを表示。残り時間が少ないと赤くなってカウントダウンを始めるという。さらに横に指をスライドさせると次の番組が表示される仕組みも用意。テレビ画面を切り替えず、手元でザッピングに近いことが行える。「写真は、すべての番組に付いているわけではありません。ただ、地上波のゴールデンタイムやWOWOWなど有料放送は9割方表示されます」(同氏)。
「単局番組表」も新しい。例えばNHKなどは放送時間が1分しかない番組なども放送しているが、時間単位で表示スペースが決まっているラ・テ蘭タイプでは見にくい。昨年のVer.1.0ではピンチ操作で画面を拡大できたが、そもそも短い番組の存在に気付かなければ拡大もしないだろう。そこで今回は、1つの放送局ごとに番組表を表示できる「単局番組表」を用意。放送時間の長短を問わず、1つの番組は1つの項目として扱うため、短い番組でも見逃さない。
番組の「詳細情報」画面は、新たに全画面表示になり、詳細情報画面の上部にあるアイコンをタップするとiOS標準の「カレンダー」や「アラーム」に放送番組を登録できるようになった。放送時間になるとiPadがアラームで教えてくれるのだ。
さらに“吹き出しアイコン”をタップすると「Twitter」や「facebook」との連携が可能。コメント作成時に番組名が自動的に挿入されるため、手間が省けるという。このほか、詳細情報画面の右下には『履歴』のタブを設け、それまでに参照した人名や番組情報の履歴を参照できるようになり、リンクを辿ってどこにいるか分からなくなったときにも簡単に戻れるという。
iPadならではといえる操作性も強化した。岩永氏によると、「操作していると分かると思いますが、チューニングを重ねて表示スピードが向上しました。文字のサイズもズームでシームレスに変えられるようになっています」。
ほかにも、従来は23時以降の番組を参照する際、日付を「今日」から「翌日」に変更しなければならなかったが、今回はそのままスクロールするだけでシームレスに翌日に移行するなど、細かいアップデートも行われている。深夜の放送が多いロンドンオリンピックの試合をチェックする際にも便利だろう。
「こうした新機能の数々は、App Storeのレビューなどに寄せられたユーザーの声を拾い上げたものです。今回はたまたま開幕と時期が重なりましたが、便利に使ってもらえればと思います」(同氏)。
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