ヘッドフォンからテレビ、ホームシアターまで、さまざまなジャンルの数多あるAV系新製品のなかから注目の新製品をピックアップし、いち早いレビューをお送りしていく「野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review」。今回はちょっと趣を変え、ソニータブレットのサウンドクオリティーにフォーカスしていこう。
いまやタブレットは自身のスペックだけではなく、ユーザビリティーが大いに問われる時代となってきたのは皆さんもご承知の通り。電子書籍ビューアーとして扱いやすいものや、フルHD対応で映像コンテンツを存分に楽しめるもの、AV機器のコントローラーとして大いに活躍してくれるものなど、それぞれが個性を大いにアピールするようになった。ソニーの「Sony Tablet S」も、そんな製品の1つ。ユニークなデザインとともに、DLNA対応やアプリによるAV機器のコントロールなど、さまざまな使い方を提供してくれている。また、先日はAndroid OSの4.0へのアップデートを実施し、追加コストなしで最新の機能を利用できるようになった。
便利さや快適さが重要視され、実際かなり便利になっているタブレットだが、コスト面の問題もあってか、このごろは、CPUや画面解像度といったスペック以外の基礎体力的な部分は結構おざなりにされがちな印象もある。例えば音質がそう。iPadを参考にすればよく分かるのだが、画面はあれほど精密なのに、音質がそれに見合うものとは思えない。まるで、AirPlay以外での再生はしないでください、といわれているようだ。果たして、Sony Tabletも同じスタンスなのだろうか。というのが、今回の取材のきっかけである。
さて、まずはSony Tabletの概要について、音質にまつわる部分をメインに紹介していこう。Android OSを搭載、アプリをインストールすることでさまざまな機能持たせることができるSシリーズだが、音楽再生にはオリジナルの「ミュージックプレーヤー」が用意されている。同時に、「xLOUDテクノロジー」や「クリアフェーズテクノロジー」などの独自技術も搭載し、音質面においてかなり気をつかっている部分もうかがえる。また、DLNA対応スピーカーなどでの再生もスムーズに行えるよう操作系がひと工夫されており、使い勝手に関しては十分なレベルといえるだろう。また、先日スタートしたクラウド型音楽配信サービス「「Music Unlimited」(ミュージックアンリミテッド)への対応も、Sシリーズの魅力の1つとなってくるだろう。このように、音楽再生プレーヤーとしてもしっかりした配慮がなされている、というのがSシリーズの印象だ。
ただし、実機を実際に触ってみると、Sシリーズ独特の“クセ”のようなものがいくつか垣間見られるので注意が必要だ。例えば、ウォークマンなどで使う「Xアプリ」は使えず、楽曲の同期や管理はXperiaなどで利用できる「Media Go」を活用することになる。このあたりに、あくまでも通信系デバイスというカテゴリー分けが垣間見られる。もっとも、Android4.0のバージョンアップでSDカード内の楽曲も再生できるようになったため(以前はSDカードに楽曲を入れてそれを本体に転送する必要があった)、「Media Go」ソフトの用意されていないMacユーザーや、もっと手軽に再生したいという人は、こちらを活用するといいだろう。
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