また、nasneでは放送中の番組も録画番組に準じた扱いになっているため、放送中番組の“ほぼリアルタイム”視聴も問題なく行えた。「ライブチューナー」フォルダを選択すれば放送中番組の一覧が表示され、選択すれば視聴できる。チャンネルを変更するには録画番組を変更するのと同じ操作が必要で(一度再生を停止して一覧からチャンネルを選択)「torne」の用に放送中番組の一覧を見ながらという訳にはいかないが、テレビチューナーとしても使えるのは便利だ。なお、torneと異なり、録画中番組の“おっかけ再生”はできなかった(録画番組として一覧に表示されない)。
操作感に関しては、toeneほどのダイレクト感はないものの、操作に対するレスポンスは筆者宅にあるDLNAサーバ(BDレコーダー、STB、NAS)のどれよりも速かった。nasneは基本がネットワーク再生ということもあり、DLNAサーバとしてのレスポンスはかなり良い。もっとも、巻き戻し/早送り再生などの操作に関しては、torneと組み合わせた場合が圧倒的に快適なのも事実だ。
一方、DTCP-IP対応のDLNAクライアントソフトの仕様にも若干注意する必要がある。例えば、ソフトによってはDLNAサーバ側のフォルダ構造に対応しないものもあるからだ。筆者の手元にあったソフトでは「Dixim Digital TV」(アイ・オー・データ機器製品のバンドル版)がこれに当たり、クライアント側の機能として番組情報を元にしたジャンル別の絞り込み・日付別表示などは可能だったため実用上の障害はないが、nasne固有の一覧などには対応できない。単体ソフトでDLNAクライアントソフトをこれから購入しようと考えている人は、こういった点にも注意してほしい。
なお、VAIO以外のWindows PCと組み合わせた場合、nasneで録画した番組のDTCP-IPダビングが行えなかった。通常、DTCP-IPダビングはDTCP-IPサーバ、つまり今回の場合ならnasne側からコンテンツ選択とダビング開始を指示するのだが、nasneにはこの機能がないからだ。実際、nasne対応の「VAIO TV with nasne」では、PC側でダビング操作が完結するスタイルになっている。
ただし、アイ・オー・データ機器は、カセットHDD「iVDR-S」用のPCアダプターが、Windows PCと組み合わせてnasneからの録画番組ダビングに対応することを9月19日に発表している。つまり、iVDR-Sにダビングした後ならDVD/BDメディアへのダビングも可能になるわけだ。コストも手間も気にはなるが、VAIO以外のPCでもDVD/BDメディアへダビングする道が開けたという点で、今後に期待も持てるだろう。
タブレットは、今回はAndroid4.0.3にアップグレード済みの「Sony Tablet S」を利用した。録画番組の再生には、アプリの「RECOPLA」がソニーのBDレコーダーに加えてnasneにも対応している。録画予約やその管理などはWindows PCと組み合わせた場合と同様、CHAN-TORUを利用することになる。
RECOPLAでは、機器追加を実行するとLAN上のnasneを自動認識するため、画面に従って登録を行い、さらに「おまとめ機器」に登録すると任意のnasneだけを一括管理できる。一手間増えるものの、対応するBDレコーダーも所有しているといった場合なら、分けて管理することのメリットもあるだろう。
nasneの録画番組は個別の一覧に加え、「おまとめ機器」としてまとめて一覧することもできる。まとめて一覧する場合には、どの「nasne」に録画された番組かの確認が可能。「ジャンル」「人名」「日付」「放送局」別に一覧できるほか、「日付」「タイトル名」「(保存されているファイル)サイズ」で並べ替えが可能とかなり柔軟だ。「ジャンル」はさらに細かい分類が準備されるほか、キーワードによる検索もできる。
また、RECOPLAとの組み合わせでは、再生時の快適さも特長といえる。さすがに「torne」を組み合わせた場合には見劣りするが、再生開始も早く、巻き戻し早送り再生から通常再生への移行も早い。また2倍速までの0.1倍速刻みでの音声付早見再生にも対応している。このあたりは、torneに合わせてきっちり作り込まれているという印象だ。
放送中番組の視聴では、番組が放送時間全体の中でどこまで進行しているかが確認したり、さまざまな要素でソート(並べ替え)も可能。例えば残り時間による並べ替えは「暇つぶし」でテレビを見たい場合には便利だし、バラエティー組などはそんな基準で見る番組を決めるのも悪くはないと思う。
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