今回から、2日間にわたる開催となった「秋のヘッドフォン祭2012」。会場には、発表されたばかりの新製品やこれから登場する“参考出品モデル”が無数に並び、その数は2日間あっても見きれないほど。いまや、ヘッドフォン関連に興味のある人にとっては、見逃すことのできない重要なイベントになっているのは確かだ。
実際、気になる製品を挙げてみただけでも数10はあり、とてもすべては紹介しきれない。そこで今回は、高い注目を集めていた製品の中でもイヤフォン/ヘッドフォンに的を絞り、速報の試聴レビューをお届けしよう。
今回のイベントで、最も注目を集めていた製品といえば、やはりゼンハイザーの新しいフラッグシップとなるカナル型イヤフォン「IE800」だろう。IFAでもお披露目されており、デザインなどは情報として知っていたものの、やはり目の前にするのは格別。セラミック製のハウジング部は、光沢塗装仕上げのおかげもあってか、なかなかに上質なイメージが漂っていた。
そのサウンドは、しっかりとした低域の押し出し感を保ちつつ、きめ細やかでクリアな中高域が特長。特に解像度感については、IE80を明らかに上まわっていた。また音色傾向としては、ゼンハイザーらしい、芯のしっかりした感じは見せつつも、IE80のようなリアル派ではなく、響きの良さや聴き心地の良さを重視したかのようなイメージ。ナチュラルテイストのゼンハイザーサウンドというのも、なかなかに興味深い。
「IE800」といえば、“TDK Life on Record”ブランドの「TH-IE800」もなかなかに興味深かった。5.8ミリ口径と8ミリ口径のダイナミックドライバー2つを同軸上にマウントする、ユニークなモデルだが、無理に低域を膨らませる必要がない余裕もあってか、解像度感が高く伸びやかな低域を実現。おかげで女性ボーカルは重心が低く、豊かな響きの印象的な歌声を聴かせてくれる。アルトサックスなどの楽器も普段より力強い演奏に感じる。音色はナチュラル派といったイメージで、高域は強すぎず、心地よい響きを楽しませてくれた。なかなかに完成度の高いモデルだ。
また、同ブースでは、MA(マグネチックアーマチュア)ドライバーを搭載する新モデル「TH-ECMA600」も展示されていた。デザインはほぼこれでキマリの様子。こちらの完成も今から楽しみだ。
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