ハーマンインターナショナルのブースでは、先日発表されたばかりの新カナル型イヤフォン、AKG「K374」「K375」「K391NC」などが試聴できた。中でもシリーズの末弟となる「K394」は、フラッグシップ「K3003」と同じコンセプトのデザインを踏襲しつつ、アルミ筐体(きょうたい))のボディーを採用するため、実売7000円前後とは思えない存在感を持っている。
そのサウンドも、解像度感をしっかり確保しつつも、演奏のうまみをしっかりと引き出すメリハリの良い表現が光る。コストパフォーマンスのよい、なかなかの秀作といえる。一方の「K391NC」は、サウンドキャラクターの本質こそ変わらないものの、解像度感と高域の伸びやかさがアップ。よりAKGらしいといえる、広がり感のある音色傾向となっていた。
オーディオテクニカは今回、専用スペースを用意して先日発表されたばかりのオープンエアー型ヘッドフォン「ADシリーズ」や、「SOLID BASSシリーズ」などの試聴体験を行っていた。
そのうち「ATH-WS99」は、新たにSOLIDBASSシリーズに加わったオンイヤー型ヘッドフォン。事実上、同シリーズのフラッグシップとなる存在だけに、ダブルエアチャンバーメカニズムや53ミリ口径ドライバー、ダイレクトドライバーマウントなど、音質と低音の両方を高めるグレードアップが施されている。
そのサウンドを聴くと、意外に自然な帯域バランスに驚く。確かに低域ボリュームはかなりの量が確保されているのだが、ディープでソリッドな重低音のため、中域のクリアさを妨げないのだ。これぞ最新の重低音と呼べる、クオリティーの高いサウンドだった。
ファイナルオーディオデザインのブースでは、先に発表されたばかりの「heaven IV」に加え、年末、もしくは来年あたりに登場予定という「heaven II」も参考出品されていた。搭載されているバランスド・アーマチュア型ドライバーは、新たに開発された自社製のもの。このために、大幅な投資を行い、製造ラインを新設したという。
そのサウンドは、鋭い高域とダイレクト感の高い中域を併せ持つ、まさにBAドライバーらしい音色傾向なのだが、それと同時に、シングルとは思えないほどの幅広くナチュラルな帯域特性を持ち合わせているのだ。これは素晴らしい。もしこれが新型BAドライバーのアドバンテージだとすれば、この先一段とファイナルオーディオデザインのBAモデルを見逃せなくなりそうだ。
会場には興味深い印象的なサウンドを持つ製品がずらりと並んでおり、とても紹介しきれない。そうした製品は今後の連載で随時取り上げていくつもりだが、ヘッドフォン/イヤフォンの市場拡大とともにヘッドフォン祭もさらなる盛り上がりを見せていると、切に感じた2日間だった。
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