1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガスで開催されているInternational CESの初日、オープニングキーノートにパナソニックの津賀一宏社長が登場した。
CESの主催母体であるConsumer Electronics Association(CEA)プレジデント兼CEOのゲリー・シャピロー氏から「100以上の特許を持つエンジニアで、経営者でもある人物」と紹介された津賀氏は、「1979年の入社以来、自分は心の底からエンジニア。今は責任範囲が広がったが、でも自分のベースには技術者としてやってきたことがある。エンジニアはロジカルなものだと思われがちだが、問題を解決したり、モノを作ったりするときにはとても情熱的。多くの技術者たちが「より良い世界を作ること」に関心を持っている」と自己紹介した。
「パナソニックと聞くと、多くの人は『テレビを作っている会社』だと思うだろう。(米国では)それは当然なこと。パナソニックはこれまで、お客様の生活を豊かにするためにエンジニアリングカンパニーとしてやってきた。しかし、今、目指しているのは『エコ&エンジニアリングカンパニー』。より良い世界を作るために世界中で社員たちが頑張っている、エコ&エンジニアリングカンパニーとしてのパナソニックを今日はお伝えしたい」と話した。
津賀社長の言葉にあるように、今回の講演の主目的は、北米ではテレビメーカーとしてのイメージが強いパナソニックが、いかにそのイメージから脱却できるか、にあった。
「パナソニックの事業は、住宅空間/非住宅空間/モビリティ/パーソナルの4つの分野にフォーカスしている。この4つの分野をつなぐのが“人”。パナソニックではお客様がどこにいてもその人の暮らしの価値を高めるため、B to Cだけでなく、B to B事業に力を入れていく。今日は、単純に機械を売るだけでなく、ソフトやサービスを含めトータルで価値を提供する、新しいB to B to Cのビジネスモデルについて紹介する。
パナソニックは世界中のビジネスカスタマーとコラボレーションしている。自動車、店舗、エネルギーといった、皆さんが意外と思う分野でも、お客様の生活向上のお役に立っている。私たちの仕事は、より良い世界をつくること」と津賀氏は話し、
の6つのポイントから説明を行った。
最初は「Your TV」、テレビ事業の話からスタートした。「テレビ産業は現在大きな変革を迎えており、次の5年でこれまでの四半世紀以上の変化が起きる。お客様はよりアクセスしやすく、より美しく、よりシンプルでよりよいユーザーエクスペリエンスを求める」
これに対するパナソニックの答えが「Your TV」だ。見る人によってパーソナライズされ、カスタマイズされた画面。テレビを見る人が指先1つで望むものを呼び出せる画面、と津賀氏は説明した。
具体的にYour TVとはどんなものなのかというデモを行ったあとに紹介されたのが、新開発の56V型4K2K有機ELディスプレイ(参照記事)。“RGBオール印刷方式”による有機ELパネルで、約12Kグラムと、他の4Kディスプレイの約半分の重さを実現したという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR