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サムスンは大画面4K、LGは有機ELがメインに――CESブースリポート2013 International CES(1/2 ページ)

» 2013年01月10日 16時24分 公開
[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 昨年のInternational CESではOLED TV(有機ELテレビ)の発表で話題をさらったLG Electronics(以下LG)Samsung Electronics(以下サムスン)の韓国勢だが、その後の経過を含めて今年の展示はどうだったのか? 今回はTV関連を中心にその動向を紹介する。

有機ELはややトーンダウン? スマートTVと大画面4Kが中心のサムスン

サムスンブース。ステージの中央に置かれたディスプレイは回転や移動を繰り返しながらスマートテレビの概要を紹介している

 歩留まりが向上せず、製品化の目処が立たないとも噂されるサムスンの有機ELテレビ。開催前に多数のリーク情報が飛び出した昨年のCESに対し、今年は特にアナウンスは行われなかった。それは展示構成にも現れており、全面プッシュしていた昨年と異なり、“数ある技術の1つ”として紹介されるにとどまっている。有機ELテレビに関するアップデートとしては、薄型で自発光という特性を生かし、曲面ディスプレイによるデモが行われていたことが挙げられるだろう。

昨年大々的に発表された有機ELテレビに関する新アナウンスはとくになし。発売時期や価格などの詳細は未定だ。目新しいところでは、曲面ディスプレイのデモストレーションが行われていた

 有機ELに代わり、今年サムスンブースで主役を務めたのは、スマートテレビと大画面4Kだ。開発者を多数集めてアプリ開発やオンラインサービスとの連携を積極的に推進していることが知られているサムスンだが、ブース中央に大きな面積を使ってスマートテレビ関連の展示が行われており、その力の入れ方がうかがえる。ステージ中央では移動式アームに据え付けられたディスプレイがダンスするかのように動き、スマートテレビを紹介をしていた。

サムスンブースのメイン展示はスマートテレビ。アプリやWebサービス連携などを中心とした展示となっている

 また、スマートTVと並んでアピールしているが大画面の4Kテレビだ。北米を含む世界では「Ultra HD」(UHD)の名称で4Kのブランディングが行われている。110V型を筆頭に、95V型、85V型とパネルサイズが競合他社に比べて大きいのが特長で、4Kマーケティングにおけるセールスポイントがパネルサイズにあることが分かる。一方で黒を強調するハイコントラストやフルHDからのアップコンバート技術も紹介されていたものの、こちらはサンプル数が少ないこともあり、4K表示の“画質”を全面プッシュしている日本メーカーと比べると、やや評価しにくい印象を受けた。

ブース入口に置かれていた「世界最大のTV」3モデル。110インチ、95インチ、85インチの3つの4K TVが展示され、そのサイズを誇示していた(左)。4KパネルにおけるフルHD動画のアップコンバートデモ。ループ表示されていたサンプルが少なかったためどの程度有効かは測りきれなかったが、アップコンバート特有の“ボケ”がクリアになっていることは確認できた(右)

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