DEGジャパンが主催する第5回「DEGジャパン・アワード/ブルーレイ大賞」の受賞作品が決まった。グランプリを受賞したのは、パラマウント ジャパンが発売した「ヒューゴの不思議な発明 3Dスーパーセット」。過去のグランプリ受賞作には「アバター」もあるが、当時は2D版(3D版は市販されていなかった)。このため、3D作品がグランプリを獲得したのは初となる。
DEG(デジタル・エンターテイメント・グループ)ジャパンは、映像機器メーカーや映像ソフトメーカーなど41社が加盟する“次世代コンテンツの普及促進団体”。「ブルーレイ大賞」は、その年に発売されたBlu-ray Discタイトルの中から、高画質、高音質、インタラクティブ性といった“BDならではの特長”を生かした作品を表彰するアワードだ。
5回目となる今回は、前回までの「ベスト高画質賞 ビデオ部門」を細分化し、テレビドラマを対象とする「TVドラマ部門」、ドキュメンタリーなどの「企画映像部門」を新設したほか、世界的に見ても作品数が増加しているというアニメ部門を「洋」と「邦」に分けなど、拡大するBlu-ray Disc市場に対応してカテゴリーを大幅に増やしている。各賞の受賞作は下表の通り。
賞 | 部門 | 受賞作品 |
---|---|---|
グランプリ | ヒューゴの不思議な発明 3Dスーパーセット | |
ベストBlu-ray 3D賞 | ヒューゴの不思議な発明 3Dスーパーセット | |
ベスト高画質賞 | 映画部門(洋画) | 【初回限定生産】ダークナイト ライジング ブルーレイ&DVDセット(3枚組) |
映画部門(邦画) | わが母の記 | |
TVドラマ部門 | スパルタカス ブルーレイBOX | |
企画映像部門 | Healing Islands OKINAWA4〜石垣島〜 | |
アニメ部門(洋) | メリダとおそろしの森 | |
アニメ部門(邦) | コクリコ坂から | |
ベスト高音質賞 | 音楽部門(クラシック) | 驚異のデュオ ベルリン・フィルハーモニック・デュオ |
音楽部門(ポップス他) | オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン | |
映像部門 | フローズン プラネット BBCオリジナル完全版 Blu-ray BOX | |
ベストレストア/名作リバイバル賞 | アラビアのロレンス 製作50周年記念 HDデジタル・リマスター版 ブルーレイ・アニバーサリーBOX | |
ベストインタラクティビティ賞 | 猿の惑星:創世記(ジェネシス) 2枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔初回生産限定〕 | |
審査員特別賞 | ツリー・オブ・ライフ | |
ユーザー大賞 | glee / グリー シーズン3 ブルーレイBOX | |
審査委員長を努めたAV評論家・麻倉怜士氏は、今回のブルーレイアワードを振り返り、3つのポイントを挙げた。まず邦画部門の新設について、「映画のアワードでは、どうしても物量を投じるハリウッド作品が強く、日本の映画が表に出てこない。しかし、『わが母の記』のようにハリウッドの高画質とはまた違った、感情を写し取るような“高画質”も存在する。それを発掘できたことが審査員としてうれしい」という。
2つめは、「ベスト高音質賞 音楽部門(クラシック)」を受賞した「驚異のデュオ ベルリン・フィルハーモニック・デュオ」だ。昨年、BDにハイレゾ音源を収録する「ブルーレイディスクによるハイレゾリューションオーディオ」の第1弾として登場したもので、映像データはメニューやジャケットイメージなど最低限にとどめ、その代わり非圧縮のリニアPCMでハイレゾ音源を収録する。「Blu-ray Discはもともと高音質だが、今回は高画質/高音質という特長のうち、高音質に特化して“超高音質”を作った。BDの新しい可能性を示した」(麻倉氏)。
そして3つめは、グランプリを受賞した「ヒューゴの不思議な発明」。3Dテレビが話題になることは減ったが、劇場用の3D映画は着実に進歩しており、それがBlu-ray 3Dの魅力に繫がっているという。麻倉氏は、「3Dじゃないと分からない芸術性というものが確実に存在する。ヒューゴの不思議な発明は、圧倒的な解像感と世にも珍しい質感で、それを示してくれた」と話している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR