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「TripleFi 10」とはキャラが違う? クアッドBA搭載の新フラグシップ「UE900」野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review(1/2 ページ)

» 2013年03月22日 22時25分 公開
[野村ケンジ,ITmedia]
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  Ultimate Earsの新“フラッグシップ”カナル型イヤフォン「UE900」が、いよいよ日本でも販売スタートとなった。さっそく試聴機を借用することができたので、詳細についてレビューをしよう。

Ultimate Earsの「UE900」

 「UE900」は、名機と呼ばれる「TripleFi 10」の後継モデルで、4基のBA(バランスド・アーマチュア)ドライバーを搭載するカナル型イヤフォン。皆さんご承知のとおり、4基ものBAドライバーを搭載したモデルは、プロ仕様のカスタムイヤーモニター(耳型を採る専用品)ならまだしも、ユニバーサルモデルとしてはあまり登場しておらず(Weston「4R」やソニー「XBA-40」などわずかにあるだけ)、当然 Ultimate Earsとしても初のラインアップとなる。ドライバー数を増やし、はたしてサウンドはどうグレードアップしたのか。気になるところだ。ちなみに、搭載されているBAドライバーは、低音に2基、中音に1基、高音に1基という構成なので、詳細にいえば3Way4ドライバーと呼ばれるシステムとなっている。

MMCXコネクターを採用

 「TripleFi 10」と比較すると、ドライバー数だけでなくデザインも大きく変更された。内側が透けて見えるクリアブルーのボディシェルは、円すい型のデザインを採用。その底面に置かれたUEロゴ付きプレートの意匠も含め、同社カスタムイヤーモニターをイメージさせるデザインとなっている。ややしゃれたスタイルのカスタムイヤー、といった印象だ。一方、「ブタッ鼻」の愛称で親しまれていた出口まで帯域ごとにホースが分けられていたシステムは改められ、ドライバーの前半部分を納めるインナーカップのようなものが採用されていたり、イヤーピース側のノズル部分もサブチャンバー的な存在が確認できるなど、音質のためだろう、かなり複雑な構造となっている。

ボディシェルは内側が透けて見え、同社カスタムイヤーモニターを連想させる

 着脱可能なケーブルは、「TripleFi 10」が独自コネクターだったのに対し、「UE900」では新たにMMCXコネクターを採用。アフターマーケットのケーブルが幅広く活用できそうなのはうれしいかぎりだ。

ケーブルの着脱には新たにMMCXコネクターを採用した(左)。iPhone用ケーブルはブルーになっていて分かりやすい(右)

 とはいえ、純正ケーブルもなかなかに使い心地がよさそう。細かく編み上げられたケーブル部は、かなり柔らかめで取り回しがしやすいし、標準タイプに加えて、iPhone/iPod用マイクリモコン付きケーブルも同梱(どうこん)されているのはありがたい。ちなみに、標準ケーブルがブラックなのに対して、リモコン付きはブルーとなっていて、ひと目で見分けがつくようになっている。

 カスタムイヤーモニターに近い形状による恩恵か、装着感もなかなかにいい。先代と同じく耳掛けタイプ(のケーブル)なので、最初は多少戸惑うかもしれないが、すぐに慣れてしまうはずだ。とくに耳穴からほとんど飛び出さないという点は、「TripleFi 10」からの大きな進歩といえる。

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