――民放が考えたアイデアも複数展示されていました。
麻倉氏:それぞれにユニークでした。例えばフジテレビはCM視聴でポイントをためると視聴者プレゼントに応募できるアプリ、TBSでは音楽番組に合わせてスマホをマイク代わりに歌うと採点してくれるといったアプリがありました。いずれも「技術検討中」でサービス開始時期は未定とのことですが、なかなか楽しみです。
――Hybridcastには、年内に開始する“第1フェーズ”の後、機能を拡張した第2フェーズ以降も検討されています
麻倉氏:第2フェーズの注目は、「放送外マネージドアプリ」でしょう。これまでに紹介した応用例は、あくまで1つの番組あるいは1つの放送局を見ているときに有効な「放送マネージドアプリ」でした。しかし、放送外マネージドアプリになると、放送局をまたいで動作します。つまり、テレビのチャンネルを変えても継続して利用できるのです。
例えば「TV Kitchen」というアプリが紹介されていました。これはタブレット用の“レシピアプリ”ですが、放送局を問わずに料理番組があるとレシピや関連情報を提供してくれます。ユニークなのは、料理番組の放送時間になるとプッシュ配信で教えてくれること。例えば、「王様のブランチ」でピザの情報を見ているとき、NHKで料理番組が始まると画面上に「もうすぐ始まります!」というダイアログが表示されます。ここで「見る」ボタンを押せば、テレビのチャンネルが切り替わります。
麻倉氏:Hybridcastの課題も指摘しておかなければなりません。それが“生放送”にのみ対応すること。録画は対象外ということです。番組外マネジメントアプリを使えば、可能な場合もあるかもしれませんが、基本的に、録画したコンテンツはHybridcast再生ができません。
もう1つ非常に基本的なことですが、考え方として番組関連、非関連にこだわらず、「放送を見てもらう」ためのネット活用であることです。Hybridcastを使い、いわゆる“テレビ離れ”から視聴者を取り戻そうという発想なのですが、その発想自体が古いのではないでしょうか。テレビが本線、ネットからのコンテンツが副線という2分割ではなく、テレビもネットもどちらも本線で、本編のコンテンツの中にネットからのコンテンツを融合させるという革新的な発想はないのでしょうか。
――サービスの将来像として、8Kを使ったHybridcast応用例もありました
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