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ヤマハ、22年ぶりのセパレートAVアンプを発表――「CX-A5000/MX-A5000」を10月発売(1/2 ページ)

» 2013年09月12日 14時24分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 ヤマハは9月12日、セパレート式のAVアンプを発表した。AVプリアンプの「CX-A5000」と11chパワーアンプ「MX-A5000」を10月上旬に発売する。価格は、CX-A5000が26万2500円、MX-A5000は31万5000円。予約は9月20日から受け付ける。

AVプリアンプの「CX-A5000」(左)と11chパワーアンプ「MX-A5000」(右)

 1991年発売の「AVC-3000DSP/AVM-3000」以来、22年ぶりとなるセパレートAVアンプ。現行のAVアンプ上位シリーズ“AVENTAGE”(アベンタージュ)のハイエンドモデルと位置付けられると同時に、2007年に発売した「DSP-Z11」の後継機でもあるという。


 「長らく“Z”型番の後継機種が出ていなかったのは、DSP-Z11以上のものを一体型で作るのは難しいと判断したため。一方、欧米などではハイエンド商品に対するニーズが高く、22年ぶりにセパレート式を採用した」(ヤマハ)。

 セパレート式のメリットは、余裕のある設計など多岐にわたるが、ユーザーにとって一番は「長く使えること」という。進歩の早いAVの世界では、新しいサラウンドフォーマットやインタフェースが登場してそれまでのモデルが陳腐化することも多い。しかしセパレート式であれば、プリアンプ部だけを交換して最新の状態を維持できる。このため、ヤマハは将来的にAVプリアンプをマイナーチェンジしていくことも検討している。

11.2ch対応AVプリ「CX-A5000」

 「CX-A5000」の外観は、AVENTAGEシリーズの最上位モデル「RX-A3030」とほぼ同じだ。シャーシはほぼそのままで、制振対策としてサイドパネルをアルミ製としたほか、細かい部分では「5番目の脚」の先端に設けられたパッドを変更。設置面積を小さくしている。

 一方、筐体(きょうたい)内ではパワーアンプが入っていた部分に「ゆったり」と電源回路を設置。EI型トランスには磁束漏洩を抑える銅メッキカバーを設け、アナログ回路とデジタル回路、そしてFL(フロント表示部)に対してそれぞれ独立した電源を供給する。

電源回路が余裕を持って収まる

 7月に発売された新AVENTAGEでは、DACを従来のバーブラウン製からESSテクノロジー製に変更したことが大きなトピックだった。今回のセパレート式もESS製DACを採用しているが、RX-A3030の「ES9016+ES9006」という構成から「ES9016×2」へと変更。11chすべてを192kHz/32bit処理対応とした。また、DACがもともとサポートしているデジタルフィルター「Sharp Roll-off」「Slow Roll-off」に加え、ヤマハオリジナルの「Short Latency」を加え、ユーザーが任意に切り替えられるようにしている。

DACのデジタルフィルターはユーザーがメニューから切り替えて音の違いを楽しめる

 シネマDSPは、DSP-Z11以来となる「シネマDSP HD3」(エイチディ キュービック)のフルプログラムを採用。音場プログラム数もDSP-Z11と同じで、RX-A3030より10プログラム多い。

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