曽根氏: この3ステップHEPA Silentフィルターは、目の大きさの異なる3枚のフィルターを重ねて圧着したのがポイントです。風が流入するほうから1層目は大きめな粒子を主に集める網目の大きめなフィルター、2層目が中くらいの粒子を集める網目も少し細かいフィルター、さらに3層目が微細な粒子を集めるさらに網目の細かいフィルター、それらを折り畳んで吸着面を最大化しました。しかもそれらはすべてプラス帯電されているので、これにより、一般的なフィルターよりも高い除去性能でありながら、風の通り道はしっかりとキープし、目詰まりをおこしにくく、きれいな空気をスピーディーに放出することができるんです。
――なるほど。3層それぞれは一般的なHEPAフィルターよりも粗いので、空気の通る道はちゃんと作っていながら、立体的にそれらの網を並べることで、大きさ別に汚れを吸着していき、最終的にきれいな風だけを通すという仕組みになっているわけですね。ちなみに花粉とかPM2.5というのは、そのフィルターでもちゃんと取れるのでしょうか? 花粉の粒子は大きいですから、大丈夫だと思いますが、PM2.5を除去できるという理由付けにはまだ足りません
曽根氏: そのためにセールス・オンデマンドでは、独自に実証実験を第三者機関にお願いしました。「ブルーエア650E」を約60立方メートル(16畳相当)の試験部屋に、0.1μmというPM2.5のなかでも比較的小さいと考えられる粒子サイズのPSL粒子を散布し、どれだけの時間で空気をキレイにできるかを測りました。その実証結果はグラフをみてほしいのですが、約20分で93.2%を除去できたという結果が出ています。これによりPM2.5が取れるということを証明しました。
――確かに、このグラフをみると0.1µmの微小粒子も逃さず帯電して、フィルター繊維に付着させ、除去していることが分かります
曽根氏: この検証方法についても、実はわれわれには言いたいことがあります。弊社はブルーエアがより高いクオリティーあることを証明するために、約60立方メートル(16畳相当)の試験部屋という、いわゆる実際の部屋に近い空間でやっているのに対し、多くの大手メーカーは、半分程度の約32立方メートル(8畳相当)空間で、なおかつ90分以内で取れればOKというハードルの低さで“PM2.5対応”と掲げています。だから、同じ“PM2.5対応”といっても、そのレベルがまったく違うことを分かってほしいです。
――米国の基準に比べ、日本の検証レベルがそこまで低いとは知りませんでした。続いて、“大風量&清浄スピード”を産み出す原動力となるファンについても聞きたいのですが、ここにはどのような工夫があるのでしょうか?
曽根氏: まずは「ブルーエア270E」と「ブルーエア450E」はシロッコファンを採用しています。シロッコファンは日本語で多翼ファンと訳され、多数の小型の 前向き羽根をもった筒と整風器をくみ合わせた構造をしています。そのメリットは流路が狭く、少ない容積のなかでも、圧力を高め、効率良く大風量を産み出せるという特長があります。圧力には静圧と動圧という2種類あって、例えばフィルター面積が狭く、空気の通りにくい狭いところで風量を多く出す場合は、静圧 を高める必要があり、その場合、このシロッコファンの方が向いています。
一方、「ブルーエア650E」はプロペラファンを採用しています。こちらは扇風機のように複数枚の羽根が円形で並べられているものですが、フィルターの表面積が広く、空気の抜けが良いブルーエア650Eの場合は、動圧を高めるプロペラファンの方が効率良く大風量を産み出せるわけです。それぞれ流路の状況や容積の大きさにより適したファンを使用したことが、最大限の効率で大風量を産み出せる 理由になります。
――それぞれのファンを採用した理由とメリット、大風量が出る仕組みは分かりましたが、スピーディーというのは相対的なもので、それだけでは一概にはいえないと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか? データなどありましたら教えてください。
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