ITmedia NEWS >

ウォークマン「NW-F885」を使って分かった“ハイレゾ対応プレーヤー購入時のポイント”(2/3 ページ)

» 2014年01月31日 20時54分 公開
[久木史郎,ITmedia]

「W.ミュージック」を起動すれば普通のプレーヤー

 今回、NW-F885を試用してみたが、Androidを採用し、特に専用のインタフェースが被せられているわけではないため、一般的なAndroidスマートフォンとほぼ同じ感覚の使い勝手となる。画面は4型FWVGA(854×480ピクセル)TFTカラー液晶で、当然ながらタッチパネル操作に対応している。

 前述のとおり、各種機能はプリインストールアプリとして実現されており、Google Playからダウンロードして追加可能だ。Androidに慣れているユーザーであれば、すぐに使いこなせるという利点があるが、その一方で、Androidに慣れていないユーザーにとっては、純粋に音楽再生を行うだけであっても、多少なりともAndroidの操作や設定を覚える必要があるという点は、少し面倒だと感じるかもしれない。

 とはいえ、基本的にはホーム画面の最下部に配置された「W.ミュージック」を起動さえすれば、あとは一般的なミュージックプレーヤー機器と同様の操作で事足りるため、大きな問題ではないだろう。また、本体左側面にはハードウェアボタン(前スキップ、次スキップ、再生/一時停止)も用意されており、再生制御に関しては、画面上での操作を行わなくても、慣れたボタン操作で実行可能だ。

アプリ一覧(左)。ハイレゾ再生アプリ「W.ミュージック」を起動さえすれば、あとは一般的なミュージックプレーヤー機器と同様の操作となる(中)。ライブラリー表示ではアルバム単位やアーティスト単位に加え、リリース年や最近追加した曲などの分類もあり、目的の曲を探しやすい(右)

 また、バッテリー持続時間に関しては、利用する音源や設定によってさまざまだが、ハイレゾオーディオ(無圧縮WAV)のみを連続再生してみたところ(WiFiとBluetoothはオフ、ボリュームは中間)、約15時間でバッテリー残量15%になった。スペック値では、MP3再生時で約33時間(デジタルノイズキャンセリング機能オン時)と記されており、ハイレゾオーディオでは約半分になるということなので、ほぼ実測値どおりといっていい。

 さて、先ほどカジュアルな位置づけだと書いたが、FLAC非圧縮ファイルなどのハイレゾオーディオをソースとして再生を行えば、「カジュアルなポータブルミュージックプレーヤー」という枠組みには収まらないレベルの、十分に満足の行く音質を提供してくれる。これらのハイレゾオーディオはソニーが無料公開しているメディア管理ソフトウェア「Media Go」上で購入し、PCに接続したFシリーズへ転送することも可能だし、こうした管理ソフトを用いずに、ウォークマン公式音楽ダウンロード・配信サイト「mora」やe-onkyoなどのハイレゾオーディオ配信サイトからダウンロードしたファイルをそのままファイルコピーすることもできる。

付属のイヤフォン「MDR-NWNC33」は、もちろん「ClearAudio+」対応。最適化された設定で利用できる

 再生可能な音楽ファイルの種類は、MP3、WMA、ATRAC、ATRAC Advanced Lossless、FLAC、リニアPCM、AAC、HE-AAC、Apple Lossless、AIFFで、FLAC、リニアPCM、Apple Lossless、AIFFに関しては、192 kHz/24bitにも対応している。また、昨年末に実施されたアップデートにより、音楽ファイルの高音域を補完するとともに、通常の音源をハイレゾ相当の情報量を持つ高解像度音源へとアップスケーリングする「DSEE HX」にも対応。とくに高圧縮音源に関しては、かなりの効果を発揮してくれるようだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.