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ヘッドフォン選びで悩んだときの最善策とは?――ヘッドフォン・バイヤーズガイド2014“春”(5万円以上)三匹が聴く!(最終回)(3/4 ページ)

» 2014年07月07日 15時39分 公開
[ITmedia]
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ベイヤーダイナミック「T5P」


 独beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)の密閉型ハイエンドモデル。1テスラ(1万ガウス)を超える磁束密度を生み出す「テスラテクノロジー」を採用して注目を集めた開放型「T1」の密閉型モデルという位置づけになる。

 本革を使用したイヤーパッドなど、高級感のあるルックスも特徴といえる。ケーブル長は1.2メートルで、さらに3メートルの延長ケーブルが付属する。

野村 ☆☆☆☆

基礎体力は非常に高く、ダイナミックさと繊細さを感じる。ひずみが小さく、強弱の表現も上手。ゆるみのない締め込んだ音は、好みの分かれるところ。個人的には少しラフさのある感じが好き。あえて、真空管アンプなどを活用するといいかも。


坂井 ☆☆☆

音の向きや飛んでくる方向が非常にシビアで、ピタッと装着しないとそれがズレてしまい、本当の音が聴こえない。良くも悪くもやや繊細すぎるかな。金属的な固めも音はある意味ベイヤーらしいけど、個人的にはT1のほうが好き。


滝田 ☆☆☆☆

全体的に非常にしっかりとした音を鳴らし、再現性も高いんだけど、高音域などがやや刺さるのが気になる。スチール素材をヘッドバンドの付け根に使ったり、ルックスがラギッドで完全に男前仕様。ヘッドフォンとしては少しだけ重いかも。



デノン「AH-D7100」


 デノン「MUSIC MANIAC」ラインの最上位モデル。新開発ナノファイバー振動板を搭載した50ミリ径ドライバーをはじめ、5カ月もの時間をかけて丹念に仕上げられた天然マホガニー材のイヤーカップ、低反発素材を使用した独自の5角形イヤーパッドなど、高級素材をふんだんに使用している。

 ケーブルは着脱式で、自宅用に3メートルの7N-OFCケーブル、アウトドア用のiPhone対応リモコン付き1.3メートルケーブルを同梱(どうこん)。スマホ用アプリ「Denon Audio」にも対応する。

野村 ☆☆☆☆

個人的に好きなハードロックに全然マッチしないのが残念。クラシックにフォーカスした感のある低域は、タイトさがなくぼよんぼよんと鳴り響いてしまう。逆にクラシックにはベストマッチで、作りもかなり上質。


坂井 ☆☆☆☆

いつも聴いているようなピアノ曲や普通のポップス、ロックがゴージャスに聞こえる。疾走感なども感じさせてくれる。クッションの柔らかさがちょうどよく、ふかふかしているけど、しっかりと芯もありいい。ただ、女性には少し大きいかな。


滝田 ☆☆☆☆☆

大ホールで録音されたクラシック盤などを聴くと、音の響きや臨場感などがハンパないけど、ジャンルは少し選ぶかも。ウッドを使った上質なルックスながら、リモコン付きのコードも選べたりと、ユーザー視点で使いやすさまで考えている。



フォステクス「TH900」


 フォステクスの密閉型フラグシップモデル。バイオダイナ振動板に磁束密度が1.5テスラにおよぶ磁気回路を組み合わせた50ミリ径ドライバーを搭載した。またハウジングの素材には肌目が緻密で堅く、表面が美しく仕上がる高級材、水目桜を使用。老舗「坂本乙造商店」の手による漆塗りで仕上げた。

 イヤーパッドは出光が開発した合成皮革「Grancuir」を採用し、肌触りの良さと軽量化を両立させている。コードは、導体が7N-OFC、強度の高いジュラルミン製スリーブを組み合わせた。専用のヘッドフォンスタンドが付属する。

野村 ☆☆☆☆☆

ヘッドフォンとして基礎体力が本当に素晴らしい。密閉型でも音に詰まった感じがなく、フォステクスらしいというべきか、表現の豊かさを感じる。色とか“つや”より非常に冷静な音を鳴らしてくれるので、スタジオモニター然としたサウンド。


坂井 ☆☆☆☆☆

密閉型ならではのダイレクト感が強い音は、いつもの音楽をよりいきいきと感じられ、より楽しく感じられる味付けに。ウッドを使った赤いハウジングは、非常に色っぽくいかにも高級感があり、ヘッドフォンというより工芸品に近い感じがある。


滝田 ☆☆☆☆☆

音に関しては言うことなし、再現性、音色感、臨場感などどの帯域でも素晴らしいの一言。価格も高いけど、そのクオリティの高さを聴けば納得。赤いウッド調の美しいハウジングは、個性的でありながら、上品な雰囲気を醸し出す。



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