麻倉氏: さて、オンキヨーブースは天井スピーカーを用いた7.1.4chと、「ドルビー・イネーブルド・スピーカー」でサンプルコンテンツの聴き比べを行いました。鳥が視聴者の周りをぐるりと一周するものですが、天井スピーカーの音は非常に明快で、音の方向もはっきりと感じられます。一方のイネーブルド・スピーカーでは、360度飛ぶことは感じましたが、下と上のスピーカーのつながりがいまひとつ。もう少し緊密になると良いと思いました。
それでもイネーブルド・スピーカーはかなり使えそうです。位置の正確性はともかく、空間そのものから出てくる感じでいうと、空間の厚みや広さを感じられたような気がします。、天井スピーカーの直接的な音は魅力ですが、イネーブルでも家庭用としては十分使えると思います。
麻倉氏: ヤマハブースでは、サブウーファーを2つ設置した7.2.4構成で試聴しました。AVアンプは「RX-A3040」で、スピーカーは“Soavo”シリーズで統一されていました。
まず感じたのは音の良さ。AVアンプの場合、音場と音質の2つが大事になります。これまで音質をブラッシュアップさせてきて、今回のドルビーアトモスでは音場に注力していますが、やはり音質も大事だと思いました。音場が持つエネルギーをアップするかのようです。ヤマハは製品発表が他社よりも遅かったのですが、ヤマハらしい切り口でまとまりのよい製品を出してきました。
ただ、もう少し下のスピーカーと上のスピーカーのつながりが良ければ、より立体的な音場が形成できると思います。試聴した部屋との関係などあるので一概には言えませんが、ヤマハは既にハイトスピーカーを提案する「DSP-HD2」を何年も前に提案していますし、何年もDSPを研究してきました。しかし今回は、自社のDSP技術とドルビーアトモスの連携は行っていません。今後はDSPの活用が1つの課題だと思います。
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