ドイツのベルリンで家電の総合展示会「IFA 2014」がスタートした。今年のIFA全体の傾向として、大手ベンダー各社がワールドワイド向けの新製品を率先して発表していくというより、欧州向けのローカライズされた商品をアピールする場というトレンドが挙げられる。この傾向は特にテレビ関連商品で顕著で、新技術や世界市場を対象とした新商品はほとんど発表されず、技術展示は今年のCES 2014で発表されたもののマイナーチェンジなどが中心。むしろ来年のCESに向けて力をためているといった印象を受けた。
東芝についてもこの傾向は同じだが、いくつか新しい技術展示を見ることができた。商談スペースの奥に設置された220インチのディスプレイウォールはその1つで、ある意味で今年の東芝の目玉となっている。
このディスプレイ、55インチのフルHDディスプレイを16枚組み合わせて220インチサイズの8Kディスプレイとしたもの。ポイントは、4K映像の撮影技術を応用して8K解像度のコンテンツを作り出していること、そして16枚の別々のディスプレイを使って1つの8K動画を表示させていることだ。
8K動画の表示には4台の動画表示用PCを用意し、それぞれ4画面ずつの表示を担当させて、16枚のディスプレイを制御する。ただ、これではPCによって表示タイミングがずれる可能性があるため、表示同期用のPCを別途1台用意して、計5台のPCで実現したという。展示会やイベント等での活用が中心だと思われるが、こうした形で8Kディスプレイや関連技術を活用する例が、今後は増えてくるかもしれない。
テレビ関連では、年初の「2014 International CES」で披露したシネスコサイズの画角を持つ5Kテレビや曲面液晶4Kテレビが展示されていた。いずれも技術展示という位置付け。シネスコサイズの5Kテレビでは、通常の動画コンテンツ表示の横にテキストなどの情報を表示する領域を設け、映画を見るとき以外にもシネスコサイズのスクリーン領域を有効に活用できることを提案している。
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