ダイソンは10月20日、「Dyson Hygienic Mist」(ダイソン ハイジェニック ミスト)加湿器「AM10」を発表した。水に潜むバクテリアを99.9%除菌し、エアマルチプライアー技術を用いてきれいなミストを部屋全体に行き渡らせるという。11月6日に発売する予定で、価格はオープン。店頭参考価格は5万8800円(税別)となっている。
日本では風邪やアレルギーの予防として使われる加湿器だが、来日した英Dysonの新技術開発デザインマネジャー、トム・ベネット氏によると「多くの加湿器はバクテリアの温床になり得る」という。
既存の加湿器には超音波式、気化式、スチーム式、ハイブリッド式の4種類が存在するが、最も危険性が高いのが超音波式。加湿器内部のスポンジやフィルター、そしてタンク内の水自体も入れっぱなしで放置するとバクテリアにとって理想的な環境になり、どんどん増殖してしまう。「スイッチを入れるとそれがミスト状になって部屋中に広がり、人が吸い込んでしまう」(同氏)。それは汚染水を飲むことと同じくらい危険だという。
気化式はスポンジが常に濡れた状態となっており、バクテリアの温床になりやすい。ハイブリッド式も同様だ。水を沸騰させるスチーム式は殺菌できるものの、エネルギー消費が大きい上にミストが加湿器の周囲や上方など限定された範囲にしか届かない。つまり、既存の加湿器は「衛生面とミストの届く範囲という2つの課題を抱えている」。
「Dyson Hygienic Mist」は、除菌用のUV-Cランプを備えた超音波加湿器だ。スイッチを入れると、まず3分間かけてタンク内にある水に強力な殺菌紫外線(UV-C)を照射する。UV-Cライトは特別強力なものというわけではないが、すべての水に対して有効な殺菌線量を確保するため、まず本体のベースにある圧電変換器がゆっくりと振動しながら水を循環させる仕組み。その間、ミストは放出されず、本体前面の白いLEDがくるくると回る。
このサイクルが終わると、圧電変換室内ではセラミック製の振動板が毎秒170万回で高速駆動し、超音波で水を細かいミストにする。その際、流れてくる水に対して再びUV-Cライトが直接照射されるため、さらに衛生的だという。
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