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「本当にHi-Fiとしても使えるAVアンプ」――デノンから2年ぶりのフラグシップ機「AVR-X7200W」登場HDCP 2.2対応アップグレード付き(1/2 ページ)

» 2014年11月20日 11時37分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]
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 D&Mホールディングスは11月20日、デノンブランドのAVアンプ新製品「AVR-X7200W」を発表した。2012年に発売した「AVR-4520」の後継となる新しいフラグシップモデル。「Dolby Atmos」(ドルビーアトモス)に対応した上、DACや電源を含めて“音”を練り直し、「本当にHi-Fiアンプとしても使えるAVアンプに仕上げた」(同社)という。価格は35万円(税別)で、2015年1月上旬に発売する予定だ。

「AVR-X7200W」

 9chのパワーアンプを搭載した9.2ch対応機。ただし最大11.2chの同時プロセッシングが可能で、Dolby Atmosでは4つの天井スピーカーを含む“7.2.4”構成までサポートしている。プリアウト端子は13.2ch、さらに11ch分のスピーカー出力端子を備えている。

 もちろんパワーアンプは9chのため、11chのスピーカーターを同時に駆動できるわけではい。実は「AVR-X7200W」ではサラウンドモードに合わせてスピーカーの出力アサインを柔軟に変更できる仕様になっており、「既にシステムを組んでいたら、つけておいてください」という提案だ。

ずらりと並ぶ背面端子。パワーアンプは9chだが、11ch分のスピーカー出力端子を備えている

 例えばホームシアターには、フロントハイトを設けていたり、サラウンドバックスピーカーを高い場所に設置している例も少なくない。デノンでは、それを天井スピーカーとして有効活用するプログラムを開発し、Dolby Atmosのコンテンツを再生するときは5.1.4chで駆動し、ほかのDolby TrueHDなら7.1chにするといった使い方が可能になるという。

 「ドルビーの規定はあくまで視聴室のような理想的な配置を意図したもの。スピーカーを柔軟にアサインできれば、Dolby Atmosの導入障壁を下げることにつながる」(同社)。

柔軟なトップスピーカーアサイン。表中のFHはフロントハイト、RH(リアハイト)は高い場所にあるサラウンドスピーカーを指す

 入力信号はすべて32bitに拡張され、「AL32 Processing」で理想的な波形に再生される。また先代「AVR-4520」を含むフラグシップモデルだけの特徴として、Dloby TrueHDやDTS-HD-MAなど圧縮を伴うサラウンドフォーマットが入力されたときにも全チャンネルを32bit信号に拡張して処理を行う仕組みになっているという。

 音場補正システムは、IMAXシアターで使われるものと基本的には同グレードという「Audyssey MultEQ XT32」(測定マイクの箇所は少ない)。もともとトップスピーカー(天井スピーカー)も想定している技術のため、今回は手を加えていない。

音場補正システムは、IMAXシアターで使われるものと基本的には同グレード

 ネットワークオーディオ機能とUSBメモリーからの楽曲再生では、従来からのWAVやFLAC(最大192kHz/24bit)、ALAC(最大96kHz/24bit)に加え、新たにDSD 2.6MHzとAIFFのファイル再生をサポート。いずれもギャップレス再生も可能だ。またWi-FiとBluetoothも内蔵しており、AirPlayなどを使って各種スマートフォンやタブレットからの楽曲再生が行える。もちろんインターネットラジオ再生やリモコンアプリ「Denon Remote App」も利用できる。

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