家の中は素足で過ごす日本人にとって、床の汚れやホコリは気になるもの。しかし四つんばいになって床ふきをするのは疲れるし、膝や腰を痛める可能性もある。つい億劫(おっくう)になって先送りにしてしまいがちだ。そんな人たちの救世主になりそうな“ふき掃除ロボット”がアメリカからやってきた。米iRobotの「ブラーバ380j」である。
ブラーバを作っている米iRobotは、あの「ルンバ」を生み出したロボット専業メーカーだ。ただ、ブラーバの生い立ちは少し複雑で、もともとは米Evolution RoboticsというiRobotのライバル企業が開発したロボットだった。Evolutionは、このロボットを「Mint」(ミント)という名称で販売していたが、その後iRobotがEvolutionを買収。Mintも独自の改良を加えられ、iRobot製品として販売されることになる。ただ、外観にはほとんど手を加えなかったため、ルンバの兄弟分であっても全く似ていない。
ブラーバの大きさは、B5用紙より少し大きい程度でルンバよりコンパクト。裏側にはぞうきん代わりのクロスを取り付ける「クリーニングパッド」と2つのタイヤがあり、部屋の中を移動しながらふき掃除をする。しかも、タイヤの動きで移動距離を測定するエンコーダーやジャイロセンサーを搭載し、部屋の地図を描くように記憶しながら、ふき残しのないように隅々までキレイにしてくれるのだ。今回はその実力をチェックしたい。
まずはパッケージの中身をチェック。「ブラーバ380j」本体のほかにいろいろと付属品が入っている。
ぞうきん代わりのクロスは2種類。白いのはドライ(からぶき)用で、青いのはウェット(水ぶき)用。そう、ブラーバは水ぶきもできるのだ。クロスを取り付ける「クリーニングパッド」も2種類あって、水ぶき用のパッドには水のタンクと注水口が付いている。ここに水を入れておくと、タンク中央の穴からじわじわとクロスに水が広がり、常にクロスをウェットな状態に保つことができる。20畳程度の広さまでなら途中で濡らしたりする必要はないという。よく考えられた仕組みだ。
そしてACアダプターと充電ドック。ドックは床置きタイプで、上にブラーバを立てるように載せると充電が始まる仕組みだ。ブラーバは、ルンバのように自分で充電台に戻ったりはしないが、掃除が終わるとスタート位置に戻り、電子音で教えてくれる。水ぶきの場合はパッド内に残っている水を出さなければならないので、この仕様は妥当だろう。むしろ収納時に省スペースになるほうがありがたい。なお、ブラーバはACアダプターを本体に直結しても充電が行える。
黒い箱状の物体は、「NorthStarキューブ」と呼ばれるもの。ブラーバは、部屋の形や自分の位置を把握して動くことで床の“ふき残し”を防ぐが、その精度を向上させるのがNorthStarキューブだ。掃除する部屋のテーブルやカウンターに設置しておくと、キューブの上面2カ所から天井に向けて赤外線を照射する。反射した赤外線をブラーバのセンサーが捉えることで、正確な位置情報を把握する仕組みだ。
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