米ラスベガスで開催中の「2015 International CES」は、“コンシューマエレクトロニクスショウ”という名前の通り、家電の総合展示会だ。にも関わらず、日本の家電メーカーはここ数年、その展示内容をB to B中心へとシフトしつつあり、コンシューマー市場とは距離を置いている印象が強くなっていた。そうした中、シャープは2年ぶりにCESでの展示内容を大きく刷新し、非常に興味深いものとなっている。今回特に力を入れている「Beyond 4K Ultra HD」を中心に、同社のテレビ関連の展示をピックアップしていこう。
「Beyond 4K Ultra HD」(以下、Beyond 4K)はその名の通り4Kを超える高精細なパネルを採用した点が特徴で、大型液晶パネル生産を自ら行うシャープならではの強みともいえる製品だ。具体的には「8Kではないものの、それと同等の解像度を持つディスプレイパネルを採用した4Kテレビ」であり、4K信号を入力してもアップコンバートにより通常の4Kテレビより高精細な表示が可能となる。
展示会場では4Kテレビ、Beyond 4K、ネイティブ8Kテレビの3種類が一列に並べられ、Beyond 4Kの実力を比較しながら理解できるような配置で紹介されていた。技術に関する詳細は説明されなかったものの、おそらくは通常の8Kパネルよりも安価に製造可能で、「4Kよりは若干高価だが、8Kよりははるかに安価で手頃に高解像度コンテンツを楽しめる」のがセールスポイントになるとみられる。
実際、4Kテレビが今年のCESの中核展示となっていながら、未だ4Kコンテンツを満足に楽しめる環境は整っていない。8Kでは今後しばらくはこうした状況がさらに顕著になると考えられるため、そうした意味での「未来をちょっと先取り」というBeyond 4Kは選択肢として悪くないだろう。
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