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ワイヤレスなだけじゃない! ノイキャン機能まで全部入りのデノン「AH-GC20」ワイヤレスで行こう!(2/3 ページ)

» 2015年04月08日 11時15分 公開
[山本敦ITmedia]

デノンの最新ヘッドフォン技術をフル装備

 AH-GC20には低域再生とノイズキャンセリング機能にも最適化した40ミリ新開発ドライバーが搭載されている。ハウジングにはデノンの“MUSIC MANIAC”シリーズ「AH-MM300」にも採用されている、強化プラスチックにグラスファイバーを混合したGFRPを使い、表面を指触りがスムーズでマットなラバー仕上げとして質感を高めた。

 本体内部、振動板の後方に放射される音圧の一部を音響フィルターを通過させて放射することで、振動板前後の音圧バランスを最適化するデノン独自の「アコースティックオプティマイザー」を内蔵。ヘッドフォン本体の上部側面に大小2つの穴が設けられており、この音道から余分な音圧を放射することで、タイトで切れ味の良い低域を再現する。

ハウジング側面の穴はハンズフリー通話用のマイク穴だ

左右ハウジングのトップに開けられている長細い穴と小さい穴は、それぞれ振動板の後ろ側に生まれる背圧を効果的に抜いて低域のクリアネスを高めるための「アコースティックオプティマイザー」になる

 今回のリスニングテストはaptX対応の「Xperia Z2」をリファレンスにして、いくつかの楽曲を聴きながらチェックしてみた。

 マイケル・ジャクソンのXSCAPEから「Love Never Felt So Good」では、躍動感あふれるボーカルを中心としたミッドレンジが聴き応え十分だった。声の肉付きにどっしりとした厚みがありながら、音の立ち上がりのスピードにも恵まれているので、ビートが重鈍にならず、しかも熱気のこもったパフォーマンスが目の前に浮かび上がる。低域の充実ぶりはまさに特筆すべきレベルにある。特にノイズキャンセリング機能をオンにすると、ベースラインのグルーブが太さを増して、タイトに力強く描かれる。

 ビル・エヴァンストリオのアルバム、Waltz For Debbyから「Milestones」を聴いてみても、やはりノイズキャンセリング機能のオン、オフを切り替えることで見えてくるステージの情景はそれぞれに異なる表情をみせる。ウッドベースの音色が濃厚で、弦を弾く指先の動きの立体感が引き立つ。細部の彫りが深くなって、オフの状態ではざらっとしていた低域の階調感が滑らかになり、ピアノやドラムスの中高域ともきれいにつながる。低域の沈み込みや広がりも増して、音場全体のスケール感が一段上がった。

aptX対応のXperia Z2で音質をチェックした

 クラシックギタリストのミロシュ・カラダグリッチによるアルバム、Latino Goldから「Barrios Mangoré: Un Sueño en la Floresta」では、ギターの旋律が伸びやかで優しい響きを楽しませてくれる。特にボディの響きがふくよかで、中低域の音のエネルギーも余すところなく伝える実力がある。トレモロのハイトーンは階調感が非常に滑らかで、サスティーンにも艶がある。各帯域の音のつながり方もスムーズで、奥行き方向への音像の広がり方はとてもナチュラルだ。この曲はノイズキャンセリング機能をオンにして聴いた方がよりしっくりときた。大編成のオーケストラもやはりノイズキャンセリング機能はオンにして聴いた方が、演奏の躍動感が高まり、楽器の音色が華やかさを増してきた。低域が前に出てきても、中高域の表情から繊細さが失われることはなく、むしろ存在感は互いに引き立つようだ。

 本機の場合、ノイズキャンセリングとBluetoothの機能をそれぞれにオン・オフできる仕様になっているが、ベースの音づくりはノイズキャンセリング機能とBluetoothの両方をオンにしたコンディションで調整されているという。特にノイズキャンセリング機能をオンにした方が、全体的に低域の情報量がグンと増えて、音に豊かな厚みが加わって、しかるべき所に収まるような感触を得た。

音楽再生や通話コントロールに使う操作ボタンはイヤーカップの側面に置く。ボタンがやや小さく操作がしにくいところもあるが、操作を受け付けると声で知らせてくれる「Voice Prompt」がサポートしてくれる

 Bluetoothの高音質コーデックはaptXとAACをサポートしたほか、aptXよりもさらに低遅延性能を高めた「aptX Low Latency」にも対応している。例えばゲームや動画など、よりシビアな映像と音声の同期が求められるコンテンツも気持ち良く楽しむことができるだろう。さらにスマホと組み合わせて使う場合、フルセグやワンセグなどテレビの音声をBluetooth経由で聴くためのSCMS-T規格もサポートしているので、音楽リスニング以外にもマルチな用途に使い倒せるヘッドフォンと言えそうだ。

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