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» 2015年04月21日 14時14分 公開

山本浩司の「アレを見るならぜひコレで!」:始めるなら今! Dolby Atmos対応Blu-ray Disc 6タイトルを一気にインプレッション (2/3)

[山本浩司,ITmedia]

Dolby Atmos対応Blu-ray Disc 6タイトルを一気にインプレッション

 さて、ここからはそんな我が家の環境で体験してきたDolby Atmos音声収録のBlu-ray Disc、6作品のインプレッションをつづってみたい。

  • 「ネイチャー」
「ネイチャー」

 昨年11月6日、わが国で最初に発売されたDolby Atmos盤Blu-ray Discが「ネイチャー」だ。英国BBC が制作したこの作品は、アフリカを舞台に動物たちの生態を時間をかけて丁寧に描いたドキュメンタリー映画。Dolby Atmosの音場拡張効果も、アフリカの熱帯雨林のじっとりとした空気感を実感させる環境演出に意が注がれている。

 はるか遠くのほうから聞こえてくる鳥のさえずり、降りしきる雨の音や吹きすさぶ風の音の描写がたいへん見事で、その臨場感たるや……という感じ。本作を通常のドルビーTrue HD5.1ch再生すると環境音の音数が減り、アフリカの密林に足を踏み入れているというリアリティが大きく損なわれてしまう。Dolby Atmosの魅力を非常に分かりやすくデモンストレーションしてくれるBlu-ray Discといっていいだろう。アトモス面白度90点。

  • 「トランセンデンス」
「トランセンデンス」

 ポニーキャニオンから12月 2日に発売された「トランセンデンス」は、日本盤のみDolby Atmos音声が収録されている。この作品は、Dolby Atmosで体験して初めて演出意図とその面白さが分かるといってもよく、「発売元のポニーキャニオン、エライ!」とホメてあげたいと思う。

 テロリストの凶弾にたおれた科学者ウィルの意識をデータ化し、それをコンピューターにアップロードするという興味深いシチュエーションがこの映画では描かれるが、電脳世界に入ってしまったウィルの声が常にオーバーヘッドスピーカーから聞こえ、センターチャンネルから放たれる(現実世界にいる)妻の科学者エヴリンとのやりとりが繰り広げられるのである。しかも、カメラのアングルによって、ウィルの声は頭上で微妙にその位置を違えるのだ。

このサウンドデザインの妙味は、トップスピーカーを配置させたDolby Atmos環境でなければ味わい尽くすことはできない。フロントハイト、サラウンドバック用スピーカーを流用した我が家の急造アトモス・システムの弱点が露わになる作品ともいってよく、この作品のサウンドデザインの面白さがリアルに分かるように再生システムを調整していきたいと考えている。アトモス面白度95点。

「トランスフォーマー〜ロスト・エイジ」
  • 「トランスフォーマー〜ロスト・エイジ」

 世界初のDolby Atmos盤「トランスフォーマー〜ロスト・エイジ」は、わが国では「ネイチャー」「トランセンデンス」の後に発売された作品だ(2014年12月10日発売)。トランスフォーマー・シリーズの最新作となるこの作品は、常時轟音が鳴り響くマッチョなサウンドデザインが施されており、再生システムのパワーリニアリティやトランジェント(音の立ち上がり)特性、S/N 感を厳しく問うBDでもある。この作品を大音量再生してうるさく感じない、爽快(そうかい)感に満たされるという方の再生システムは、かなりのレベルに到達しているといっていいだろう。アトモス面白度80点。

  • 「アイ・フランケンシュタイン」
「アイ・フランケンシュタイン」

 今年の1月にポニーキャニオンから発売された「アイ・フランケンシュタイン」は、「トランセンデンス」同様日本盤のみがDolby Atmos仕様で発売された興味深い作品。天使と悪魔の数世紀に渡る戦いにフランケンシュタインを配置、古典を現代的にアップデートした作品で、アクション・シーンが満載だ。天使が死ぬと天上へ、悪魔が死ぬと地底深くへという対比が描かれており、サウンドデザインは垂直方向の音場拡張効果を狙ったDolby Atmosならではの魅力に満ちている。ときおり頭の上をダイナミックに移動する飛行音にも注目したい。アトモス面白度85点。

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