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とりあえずハイレゾを体験してみたい――手持ちのスマートフォンを活用しよう!ハイレゾスタートガイド(1)(2/3 ページ)

» 2015年10月28日 23時05分 公開
[山本敦ITmedia]

 iPhoneをアンプに接続している最中には、アンプのバッテリーをiPhoneから給電しているケースもあり、この場合はiPhoneのバッテリーが減ってしまうことにあんる。そうなると、いざ電話をかけたい時や写真を撮りたい時にiPhoneが使えないということも起こり得るため、USB-DACを内蔵するポータブルヘッドフォンアンプで、iPhoneとの接続に対応している製品については、アンプに自立駆動するためのバッテリーが内蔵されているか確認もしておきたい。最近のiPhoneとの接続に対応するハイレゾ対応のUSB-DAC内蔵ポータブルアンプとしては、iFi Audioの「nano iDSD」や、iPhoneにバッテリーを供給することもできるOPPO Digitalの「HA-2」などが人気だ。ここでは「HA-2」を例にiPhoneとの接続スタイルを紹介しておこう。

OPPO Digitalの「HA-2」は、384kHz/32bitまでのPCMおよび11.2MHzまでのDSD再生が可能。iPhone 6とぴったりのサイズ、メタルや本革を使った外装も人気だ。価格はオープンプライスで、店頭では3万9000円前後

DAC搭載ポタアンには接続ケーブルが付属している製品も多い。写真は「HA-2」の付属ケーブル。短いLightning-USBケーブルを使ってiPhoneと直結できる

接続したところ

意外と重要なのは内蔵バッテリーの有無。「HA-2」の場合、iPhoneにバッテリーを供給できるうえ、30分あれば70%の充電が可能な急速充電機能「ラピッド・チャージ」を搭載。「HA-2」がフル充電状態ならiPhoneを約1.2回ぶん充電できる。バッテリー残量はボタン1つで確認できる

おすすめヘッドフォン&イヤフォンも紹介

 スマホでのハイレゾ再生の場合、イヤフォンやヘッドフォンもできればハイレゾ対応の製品を組み合わせたい。ここで注目製品の1つとして挙げるのは、ソニーがこの秋に発売した“h.ear”シリーズ。シリーズにはオーバーヘッドタイプのヘッドフォン「h.ear on/MDR-100A」や、イヤホンタイプの「h.ear in/MDR-EX750AP」などがある。価格が割と手ごろな点も魅力であり、ともにオープン価格だが、ヘッドホンは2万3000円前後、イヤフォンは1万1000円前後で販売されている。どんな音楽にも合わせられるオールラウンダー的なサウンドで、むやみな強調感のないクリアでソリッドな低域が魅力だ。オーディオテクニカの「ATH-MSR7」などもハイレゾ対応で原音に忠実な再現力を備えるプレミアムモデルだ。

ソニーが今年の秋に発売するヘッドフォン「h.ear on/MDR-100A」。豊富なカラーバリエーションをそろえる

オーディオテクニカのハイレゾ対応ポータブルヘッドフォン「ATH-MSR7」

 日本オーディオ協会によるハイレゾの定義にならうのであれば、イヤフォン/ヘッドフォンも周波数帯域は40kHz以上に対応する製品がハイレゾ対応ということになるが、実際のところハイレゾの音源データを正しくデコードできなければならないUSB-DACなどと違って、ヘッドフォンやイヤフォン、スピーカーなどアナログ系の機器については、その魅力が単純にカバーする再生周波数帯域などのスペックだけで決まるというものではない。それぞれに音づくりのコンセプトや傾向によっても善し悪しが左右されることもあるし、ユーザーが好みと感じる音で選ぶのもありだと思う。当然、スマートフォンと組み合わせてカジュアルに楽しみたいのであれば、気軽に購入できるコストパフォーマンス感も重要だ。

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