ITmedia NEWS >

2015年のイチオシ――iPhoneでハイレゾを聴くならOPPO「HA-2」&「PM-3」野村ケンジの「ぶらんにゅ〜AV Review」(1/2 ページ)

» 2015年12月18日 15時30分 公開
[野村ケンジITmedia]

 気がついたら1年があっという間に通り過ぎ、2015年も年の瀬となった。

 今年は、ハイレゾ対応DAP(デジタルオーディオプレイヤー)の新モデルが続々登場したり、ヘッドフォンが大いに賑わったりと、昨年にもまして新製品&話題の多かったポータブルオーディオの世界だが、その分、どれを選べば良いのか分からない状況だったのも事実。そこで、この1年で登場した製品のなかから、紹介したかったけれども諸事情(原稿執筆速度が遅すぎるため)により紹介しきれずにいたオススメ製品のレビューをいくつかお届けしたいと思う。

OPPO Digitalの「HA-2」と「PM-3」のコンビ

 今回、紹介するのは、OPPO Digitalの「HA-2」と「PM-3」のコンビだ。とくに「HA-2」は、「iPhoneでハイレゾを聴きたい」という相談を受けたとき、必ずといっていいほどこちらをオススメしている。というのも、「HA-2」が音質的にもユーザビリティ的にもかなり完成度の高い、他に替えのきかない製品だからだ。

 「HA-2」の実機を見てみると分かるのだが、まず、高級オーディオ製品としては望外といえるほどの薄さを実現している。実際、スペック的には12mmという厚みなのだが、コスパ優先のモデルでもここまでの薄型を実現したモデルはほとんど存在しない。さらに、68x157mmという縦横サイズは、iPhone 6にピッタリ(こちらは偶然にも運良くそうなったと開発者から聞いたことがある)。重さも175gと(この手の製品としては)軽量で、いままでのスマートフォン活用から大きく変化することもない。また、Lightningアダプターなどが必要がなく、付属のケーブル1つでiPhone(やAndroidスマートフォン)とデジタル接続できるため、配線もスマート。あとはハイレゾ対応プレーヤーアプリをそろえれば、手軽に存分にハイレゾ音源を楽しむことができる。

薄い
スペック的には12mmだが、ほかに比較できる製品がないのでかなり薄く見える

 もう1つ、ポタアンは初めて、という人にオススメしやすいポイントが、モバイルパワーバンク機能だ。3000mAhという容量の内蔵バッテリーを搭載し、スマホへの充電が可能となっているため、いざというときはモバイルバッテリーとしても役立ってくれる。

 実際、「HA-2」は発売以来各所で高い評価を得ているようだが、こういったユーザビリティの高さがヒットの要因の1つとなっていることは確か。パッケージングの絶妙さだけでも、大いにオススメできる製品といえる。

 もちろん、「HA-2」最大の魅力は音の良さだ。音質の要となるDACは、OPPOが得意とするESS Technology製の「ES9018K2M」をチョイス。384kHz/32bitまでのリニアPCM、5.6MHzまでのDSD音源に対応。さらに、PCとの接続ではDSDが11.2MHzまで対応してくれるので、スペック的には完璧といっていい。さらに、ヘッドフォンアンプ回路には入力側にIC、出力側にディスクリート部品のトランジスタで構成したAB級アンプ設計を採用。さらに、トランジスタなどのパーツに関してはマッチドペアの選別品を使用するなど、徹底的な品質管理が行われている。

平面振動板なのに密閉型ハウジングの珍しいヘッドフォン「PM-3」

「PM-3」のブラック

 一方の「PM-3」は、密閉型ハウジングを持つアラウンドイヤータイプのヘッドフォン。上位モデルと同じく、平面磁界駆動方式のドライバーを搭載。10〜50kHzというワイドレンジな再生帯域を持ちあわせている。実際のところ、平面振動板系ドライバーで密閉型ハウジングを持つだけでもかなり珍しいのだが、加えて「PM-3」では、アラウンドイヤーパッドと小型ハウジングを両立、スイーベル機構なども採用しており、キャリング性能の高さ、手軽な持ち運びにこだわっている。また、先日カラーバリエーションが追加され、現在はホワイト、ブラック、チェリーレッド、スチールブルーの4色展開となっている。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.