何を隠そう、「HA-2」と「PM-3」はほぼ同時期に日本デビューしたのだが、どちらもポータビリティー、屋外への持ち運びにこだわったモデルに作り上げられていたりする。さらに、同ブランド同士の組み合わせという相性の良さもあって、ペアで使うとなかなかに良質なサウンドを楽しむことができる。
しかしながら、「HA-2」と「PM-3」をペアで使う最大のメリットは別のところにある。それは、どちらも、GNDセパレート設計のステレオヘッドフォン入力/出力を搭載していることだ。一般的なヘッドフォン出力がL+、R+、グラウンドという3極構成であるのに対し、GNDセパレート設計では、L+、R+、L−、R−という4極構成となっている。これは、LRのマイナス側を分離接続することで、チャンネルセパレーションの悪化を低減し、定位の正確さや広がり感の良好な音場を再現しようというもの。両製品とも、このGNDセパレート設計に対応した入出力を持っていることもあってか、つい先日、オプションとして「GNDセパレート接続用ケーブル」も登場。OPPO同士の組み合わせが、ベストな状態で楽しめるようになった。そこで今回は、「HA-2」と「PM-3」の接続に「6N-OFC Balanced Headphone Cable」を使用し、そのサウンドを確認してみた。ちなみに、プレイヤーには第5世代iPod touchを、アプリはオンキヨーの「HP Player」を利用した。
もともと、良好なS/N感を持ちダイナミックレンジの表現幅も広い「HA-2」と、音質的な基本スペックの高さを確保しつつも、ダイナミックな抑揚表現とキレの良さをアピールポイントとする「PM-3」との相性は抜群なのだが、その良さがさらに伸ばされたといったイメージ。特にSN感、特にノイズレベルが低く押さえられたおかげで、音のクリアさが増し、定位感もさらにはっきりした。おかげで、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのような、徹底的に定位にこだわったアーティストの楽曲を聴いても、その絶妙なニュアンスがしっかりと伝わってくる。いっぽうで、ライブ盤もなかなか。TOTOを聴いてみたのだが、会場がさらに広がり、観客の様子も細やかに伝わってくるようになった。おかげで、臨場感がさらに高まってくれている。これはいい。
このように、「HA-2」と「PM-3」はそれぞれに魅力的な製品でありながらも、ペアで活用、しかもオプションの「6N-OFC Balanced Headphone Cable」を活用することで、さらなるハイクオリティーなサウンドを堪能することができる。はっきりいって、iPhoneやスマートフォンからのサウンドとしては、望外のクオリティーといえる。しかも、使い勝手がとても良い。しばらくは“いきなり高級ポータブルオーディオ”のイチオシ製品としての座は、揺るぎないことだろう。
音質評価 | OPPO「PM-3」 |
---|---|
解像度感 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−○−−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−○−−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−○−−−質感重視) |
音質評価 | OPPO「HA-2」 |
---|---|
解像度感 | (粗い−−−○−きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−○−ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−○−フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−○−−質感重視) |
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