「LCD」シリーズなど平面駆動型の振動板を採用する数多くのヘッドフォンを開発してきた米AUDEZE(オーデジー)が、今度は世界初の平面駆動型オンイヤーヘッドフォン「SINE」をCESでお披露目した。
本機はコンパクトな折り畳みタイプの密閉型オンイヤーヘッドフォン。80×70mmの高解像・低歪みを特長とする独自の振動板技術「Uniforce」を採用する平面駆動型振動板には、高級ネオジウムマグネットを使う、パワフルで高効率なドライビングを特徴とする「Fluxor」テクノロジーによる磁気回路を片側に配置。ハウジング内の空気の流れをコントロールする「Fazor Technology」により、聴感上のバランスの良いサウンドを再現する。
再生周波数帯域は10Hz〜50kHzを実現。インピーダンスは20オーム。本体のデザインは日本でも発売されている「EL-8」と同様にBMW DesignWorks USAによるものだ。製造はサウス・カリフォルニアの同社工場で行われている。
本体両出しのケーブルは着脱交換に対応しており、本体には2.5mのケーブルが付属する。ヘッドフォン側は独自にカーブしたデザインのプラグになっているが、サードパーティーのケーブルも3.5mmのプラグを採用するものであれば交換できる場合がある。
本機には、独自のDSPにDAC、デジタルアンプを内蔵するLightningコネクター仕様のリケーブル「CIPHER Lightning Cable」が付属するバリエーションモデルも発売される点にも注目だ。その特徴について、オーデジーのCEOであるSankar Thiagasamudram氏に詳細を訊ねることができた。
CIPHERは、R側ケーブルのインラインに48kHz/24bit対応のDACにADC、DSPを乗せたSoCにデジタルアンプ、Lightning Audio Moduleを統合したマイク付きリモコンユニットを搭載している。プログラマブルなSoCのプラットフォームにAUDEZEが独自にコーディングしたファームウェアを書き込むことにより、「現状アップルの仕様によりLightning端子でiOSデバイスに直結して、Siriを動かすためのマイク機能もアクティブにしながら24bitのデータを転送するためには48kHzが上限となりますが、将来アップルのルールが更新された際にはアップデートをかけて192kHzへの対応などが可能になります」とThiagasamudram氏は説明する。
なおヘッドフォン側の端子がノーマルな3.5mmのミニプラグなので、原理的には同じ端子を採用する他社製ヘッドフォンにCIPHERをつなぐことも可能だが、BMWデザインが設計した独自のカーブ形状の端子はSINEにフィットするように作られているので、現状では他社製品との互換性はない。オーデジーとしても当面はSINEだけのアドバンテージとして訴求していく考えだ。
北米では1月から2月ごろの発売が予定されており、Lightningケーブルを同梱するモデルを599ドル、アナログケーブルのモデルを499ドルで販売する予定。発売時には10バンドのグラフィックイコライザーを搭載する専用プレーヤーアプリも提供される。
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