炊飯器の進化が止まらない。パナソニックのスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器の新モデル「SR-SPX6シリーズ」が、さらなる美味しさを引っさげて登場した。今回はプレス向けの製品説明会で、その秘密を探った。
パナソニックが電気自動炊飯器を作り出したのが1956年。それから60年、ひたすらに炊き上がりのごはんの美味しさだけを追求して進化をさせてきた。その集大成といえるのが、今回発表されたスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「SR-SPX6シリーズ」である。
高級炊飯器市場が誕生したのは今から10年前、その元祖は三菱電機のIHジャー炊飯器「本炭釜シリーズ」であるが、そこに追随するように各社がしのぎを削り、その炊き上がりのごはんの美味しさはまさに“かまどを再現”するレベルまでになったといわれている。
だが、今回登場した「SR-SPX6シリーズ」はそれ以上、つまり、“かまど炊きを超える美味しさ”まで到達した。すでに、炊飯器のごはんの美味しさというのは、毎年取材している記者などからすると、「もう十分美味しいでしょ」と言いたくなるレベルにまで到達している。個人的には、もう炊飯器は美味しさというベクトルで進化を続けるのは難しいため、今後は使い勝手など“+α”の付加価値で進化していくのだろう”と漠然と考えていた。
実際、“かまど炊きを超える美味しさ”の追求するにあたり、何かウルトラC的な技術が生み出されたわけではない。その進化の手法はかなり地味だ。
パナソニックの炊飯器開発を影で支えるのが、神戸工場の調理実験室にいる「ライスレディ」たち。自らの鋭い味覚で炊飯器開発を助ける専門家集団だ。現在約6名ほどが在籍しており、中には20年以上にわたって担当しているベテラン社員も存在する。新製品1台の開発に付き、炊くお米の量は約50種類以上の銘柄をその都度選びながら合計3トン。1人が1日にお茶碗7杯は試食して、その精度を高めていくのだという。
ライスレディのリーダーを務める加古さおりさんは、「科学的に収集・分析した美味しさのデータは機械での計測によるもの。結局、最後美味しいと判断するのは人ですから、われわれライスレディは日々地道に食べ続けるのです」と話す。また新製品については、「今までのモデルも、もうこれ以上の美味しさは出せないと思って毎回送り出していますが、今回は確実にそれらを超える美味しさになりました」とコメントしている。また、ライスレディ以外にも、社内には味覚に敏感な“社員パネラー”を配置し、さらに客観的な美味しさを検証している。
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