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Ultra HD Blu-rayの実力を堪能できる4Kテレビはコレだ!(後編)山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」(2/3 ページ)

» 2016年05月26日 18時16分 公開
[山本浩司ITmedia]
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リビングルームに映える高級4Kテレビ、東芝「Z700X」シリーズ

 先月の本欄でHDR対応を果たした東芝のフラッグシップ・シリーズ「Z20X」の画質について触れたが、その後東芝からIPS(In Place Switching)パネルを採用した「Z700X」シリーズが発表された。

東芝「55Z700X」

 55V型、49V型、43V型の3サイズをラインアップするZ700Xは、Z20Xに次ぐセカンド・ラインで、直下型バックライトを採用したローカルディミング機。Z20Xに採用された高性能な画質エンジン「4KレグザエンジンHDR PRO」を搭載し、地デジ6ch分を同時録画できるタイムシフトマシン機能を受け継いだ、いかにも東芝REGZAらしい製品だ。

地デジ6ch分を常時録画する「タイムシフトマシン」やクラウドサービス「TimeOn」をサポート。録画機としてのレベルも高い

 VAパネルを採用したソニー「X9300D」の視野角が改善されたといっても、IPS方式パネルのZ700Xにはかなわない。リビングルームのソファに家族数人が座ってテレビと相対した場合の安定した画質のよさは、Z700Xの大きな利点といっていいだろう。

 もっとも全黒時(電圧オフ時)の光漏れの大きさに起因するコントラスト低下はIPSパネルの最大の欠点で、Z700Xもその問題から逃れられていない。しかし、それは全暗環境で映画の夜闇などの平均輝度レベルの低いシーンで気になる程度。通常の200lx(ルクス)前後のリビングルーム照明下で、普通に映画やドラマ、スポーツ番組などを楽しむ場合にはさほど問題にならないというのがZ700Xをチェックしての筆者の見解だ。

「アメイジング・スパイダーマン2 4K ULTRA HD & ブルーレイセット」は7月6日リリース予定。価格は4743円

 実際に少し明かりを残した状態(50lx程度)で、Ultra HD Blu-rayを何枚かチェックしてみたが、その画質はとても品格が高く、じつに見応えのあるものだった。とくに色再現の安定感は見事で、「アメイジング・スパイダーマン2」の怒り狂うエレクトロの青白い光の力感やスパイダーマンの赤いゴム系素材のコスチュームの生々しさなど息をのむほどだ。

 また、部分駆動によるコントラスト改善に加えてREGZA技術陣が磨き続けてきた動的なダイナミックコントラスト制御が奏功し、「レヴェナント:蘇えりし者」で描かれる美しい白原の世界を見事に描写した。ハイライトの色ヌケを実感させないのである。IPSパネルで高級機を作り続けてきたREGZA技術陣の経験が、UHD BDのHDR表現に着実に生きていることが実感できた次第。Z20Xに比べて価格もかなり魅力的。リビングルーム・ユースで映える高級4Kテレビをお探しの方にぜひお勧めしたい製品だ。

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