今回はスマートフォンを家の鍵にできるという「スマートロック」が本当に便利なアイテムなのか。「Qrio(キュリオ) Smart Lock」を使いながら検証してみたい。
Qrio Smart Lockは、ベンチャーキャピタルのWiLがエレクトロニクスメーカーであるソニーと組んで設立したジョイントベンチャー、Qrioにとって初めてのプロダクトになる。昨年にクラウドファンディングを実施して資金集めに成功し、年末に発売。その後ソフトウェアのチューンアップを重ねながら使用感の向上を図ってきた。直販サイトでの販売価格は1万8000円(税別)。
本機はスマホやタブレットに専用アプリ「Qrio」を入れて、自宅などの玄関に本体を設置。Bluetooth経由で遠隔操作できるスマートロックだ。Qrio以外にもいくつかのメーカーから同様のスマートロックが商品化されているが、モバイル機器のリモコン操作により鍵の開閉ができるようになると、暮らしのこんな部分が便利になるといわれている。
まずは物理的な「鍵」を持ち歩く必要がなくなる。恐らくは誰もが経験したことのある「落とす・なくす・忘れる」といった鍵にまつわる“3大うっかり”とさよならできるというわけだ。もっとも、スマートロック化したスマホをなくしてしまっては元も子もないのだが、そんな最悪の自体が起きたとしても、Qrioのアカウント登録を別のスマホに乗り替えることでトラブルは回避できる。
Qrio Smart Lockの場合、鍵を開けて入室後に鍵をオートロックしてくれる機能がある。反対に、帰宅して鍵が閉まっている状態の玄関に近づくと自動で鍵を開けてくれる機能もある。つまり、鍵を開閉する動作自体が要らなくなるのだ。
さらにQrio Smart Lockにはもう1つ、スマートロックの管理者が電子鍵を発行して、スマホを持っている家族や友人、親戚など複数のユーザーにシェアできる機能もある。では、これらのことができるようになると、実際に暮らしがスマートになるのか? 実践に移っていきたい。
スマートロックを取り付けるには、玄関のドア鍵を丸ごと交換しなければならないのではと思われる方もあるだろう。中には簡易な工事が必要になるスマートロックもあるのだが、Qrio Smart Lockはドアの室内側にあるサムターン(指でつまんで回すあれのこと)に被せるように装着して、粘着テープでドアに固定するだけと、設置がとても簡単だ。
筆者も今回、自宅のドアに粘着テープでぺたっと付けてみることにした。本体の向きは縦でも横でも構わない。取り付けが難しい例として、サムターンのつまみ部分が楕円(だえん)形など特殊な形をしていたり、サムターンとドア枠までの距離がやたらと狭い場合は、あるいは設置ができないこともある。また、サムターンにも色々な解錠方法があり、つまみを押しながら回すタイプや2段階式でロックされるものなどはQrio Smart Lockとの相性が悪い。もし導入を検討される場合は事前に自宅ドアの形状や鍵の動作方式をしっかりとチェックしておきたい。Qrioのサイトに対応状況の詳細も記載されている。
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