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» 2016年09月21日 06時10分 公開

山本浩司の「アレを観るならぜひコレで!」:群を抜いた高画質、ソニー「Z9D」の“魅せるHDR” (2/3)

[山本浩司,ITmedia]

 LEDの数は明らかにされていない。ソニーからは「LEDの数は1000個から1万個の間」というざっくりした説明があったが、実装密度は100V型が最も高く、75V型と65V型はほぼ同じ。画面サイズの違いによってLED数が異なるようだ。また、独自のレンズ設計によってLEDの光の拡散を抑えて各ピクセルに光を正確に照射できる工夫も新たに加えられている。

 その光学系の工夫の成果は明らかで、従来のエリア駆動型のようなハローの発生は見受けられず、色純度も申し分ない。もっとも採用された白色LEDは従来製品同様で、色域自体が拡大されているわけではない。ソニーは色再現範囲を発表していないが、デジタルシネマで定められたDCI-P3をほぼカバーする色再現能力を有すると思われる。

 また、今年1月のCES発表時には「明るさ4000nits(cd/m2)」がうたわれた本シリーズだが、今回の商品スペックに最大輝度の表記はない。画質は総合力、明るさの数値だけが一人歩きするのを避けたいというのがソニーの考えなのだろう。

「X1 Extreme」の進化

 4K高画質プロセッサー、X1 Extremeの進化も興味深い。従来のX1に比べて1.4 倍の動画処理能力を持つこの画像処理エンジンは、「HDRリマスター」「デュアル・データベース解析」「スーパービットマッピング4K HDR」という3つの技術によって成り立っている。

「X1 Extreme」の機能概要

 HDRリマスターとは、オブジェクトごとに最適化させたリマスター技術。画面全体のコントラストを一様に強調するのではなく、画像内の構成要素を検出・解析し、オブジェクトごとにコントラストを最適化したのちに、画像全体のバランスを整えるという手法が採られている。

 デュアル・データベース解析は、ノイズリダクション用データベースと超解像用データベースを別個に用意し、ノイズかテクスチャーかという微妙な判別精度をよりいっそう高めるために設けられた画像処理回路。

 スーパービットマッピング4K HDRは、8bit映像のデジタル放送やBlu-ray Disc、DVDで散見される階段状のノイズであるバンディング対策用回路技術。14bit信号処理回路と同社独自のスムースグラデーション技術を組み合せて、階調段差を目立たなくさせている。

 ソニー伝統のデザインの美しさもZ9Dシリーズの魅力ポイントだ。画面上下左右のベゼル幅は、画面サイズを考えれば驚くほど細く、空中に映像がぽっかり浮かび上がるイメージが得られる。

 一方、その引き替えに内蔵スピーカーは、ディスプレイ下部に下向きに取り付けられており、サイドスピーカーを擁したソニー製テレビ(X9350Dなど)並みの高音質を期待することはできない。このクラスの高級大画面テレビを求めるユーザーは、本格的なステレオ・スピーカーを組み合せるはずと考えての割り切りなのだろう。

100V型の背面。ケーブルが目立たないように設計されている

 また、ディスプレイ背面も凸凹がなく、じつに美しく仕上げられている。各種接続ケーブルがきれいにまとめられる工夫が施されているのも、ソニー製大画面テレビならではの美点といっていい。

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