ダイソンが10月末に発売した「Dyson Small Ball」(ダイソン スモールボール)は、2008年の「DC24」以来、8年ぶりに投入されたアップライト型掃除機だ。業務用と言われても納得しそうな外観だが、実は家の中を効率的に掃除するギミックが詰まっていた。
アップライト型のメリットは、モーターなどの重い部分が下にあるため、操作する人が重さを感じにくいこと。モーターが手元にあるスティック型や掃除機自体を持ち上げるハンディー型のようにシビアな軽量化を行う必要がなく、バッテリーも持たないためパワー重視の設計が行える。
ダイソンのデザインエンジニア、マーティン・ピーク氏によると、Small Ballの吸引力は、キャニスター式を含むダイソン製掃除機の中でも「最高レベル」という。そして吸い込んだ大量の空気は、19個ものコーンを持つ「2Tier Radialサイクロン」によってゴミを分離。ゴミをためるクリアビン(ダストカップ)も大きく、その容量は「ハンディー掃除機の約1.5倍。キャニスター式より大きい」という。
実は、Small Ballのようなアップライト型掃除機は欧米で人気が高く、「掃除機の半分以上はこのスタイル」という。確かにカーペット敷きの部屋が多く、家の中でも靴を履いたまま過ごす国でパワフルなアップライト型が人気を集めるというのは頷ける。しかし、馴染みの薄い日本人が「取り回しが大変そう」「高い場所は掃除できないのでは?」といった疑問を感じるのも当然だろう。
まず掃除中の操作性については、キャニスター式で実績のある「Ballテクノロジー」が重要な役割を果たしている。「重心をボール形状にした本体の中心におくことで方向転換は容易。家具や障害物を避けながら、掃除しにくい場所も簡単に掃除できる」。
ヘッドはモーターを内蔵しており、新しいカーボンファイバーブラシを駆動する。「カーボンファイバー製ブラシの確度を90°から40°に変更したことで消費電力を削減しつつ、カーペットからより多くのゴミを取り除くことができるようになった」(同社)。また、床が異なっても吸引力を一定に保つ「セルフアジャストクリーナーヘッド」も新しい。ヘッドにダンパーのような仕組みを設け、柔らかいカーペットと固いフローリングなど床の固さによって可動、吸い込み口と床との密閉性を保つ仕組みだ。
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