とうとうパナソニックが高級コンデジ主戦場のど真ん中にカメラを投入してきた。今までは他社とは微妙にコンセプトやスペックを変えてナニゲに被らないカメラが多かっのだ。
でもLX9は違う。「1型センサー」搭載のハイエンド機を牽引してきたソニーの「RX100シリーズ」やキヤノンの「G7 Xシリーズ」とガチでぶつかるスペックである。真っ向勝負である。
それはコンパクトで携帯しやすいボディに高画質な1型の2000万画素センサー、ズーム倍率は抑えめで、その分明るいレンズ、そしてチルト式の背面モニターという構成だ。
プラスして、モニターは180度回転する上にタッチパネル搭載の自撮り対応仕様だし、パナソニックならではの4K動画系機能もしっかり持っている。
面白いのは、スペック的にはカメラ好き向けのハイエンドなのに、使ってみるとけっこうカジュアル指向の作りになっていること。一見、超本格的なカメラだけど、実は気楽に楽しんでOKな製品だったのである。
LX9のボディは上着のポケットなら入りそうなコンパクトさ。幅は約105.5mmで厚みは約42mm。重さは撮影時重量で約310gとかなり携帯性が高い。
そこに入っているレンズは24-72mm相当の3倍ズームではあるものの、広角端でF1.4というクラス最高峰の明るさ。F1.4を楽しめるのはほぼ広角端のみではあるが、他社がF1.8クラスなのに対し、F1.4は驚異である。しかもライカブランドだ。
F1.4なら広角でも背景はそこそこぼけるし、それ以上に室内や夜間の撮影で力を発揮する。レンズが明るいのであまり感度を上げなくても済むのだ。
これは夜の虎ノ門駅で撮った虎ノ門の虎。ライトアップされてるわけでもなんでもないのでとても暗いわけだが、F1.4ならISO1600で1/50秒で撮れる。
すばらしい。撮影最短距離は広角側でレンズ前約3cm。ボケかたもけっこうきれいなのでぐっと寄ればボケも楽しめる。
真っ昼間にF1.4で撮ろうと思うとシャッタースピードをかなり上げなければならないが、LX9はメカシャッターこそ1/4000秒どまりなものの、電子シャッターに切り替えれば問題ない。電子シャッター時は最高1/16000秒まで上げられる。快晴下でもF1.4である。
F1.4なのは広角端のみで、30mm相当を超えると開放F値はF2.8になる。望遠端は72mm相当でF2.8を維持。広角端と望遠端の比較はこんな感じだ。これはiAモードで撮影している。
レンズ性能はけっこう高くて思ったよりディテールの表現力は高かった。これはよい。
ISO感度はISO125からISO12800で、拡張感度としてISO80やISO25600も使える。基本性能的には申し分ない。
また鏡胴には絞りリングを搭載。絞り値にリングを対応させることで上面の電子ダイヤルを露出補正に割り当てられるのはうれしい(要設定)。
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