「It's a SONY展」で学ぶ、テレビの歴史と黒歴史(1/3 ページ)
東京・銀座のソニービルで開催中の「It's a Sony展」。ソニーの前身である「東京通信工業株式会社」設立から70年の間に同社が送り出してきたエポックメイキングな製品を多数展示している。今回はその中からソニー製テレビの歴史を追った。
ソニーのテレビ事業は、順風満帆の船出とはいかなかった。「TV-8-301」は、1960年に同社が投入した白黒トランジスタテレビ。当時の広告には「ニッポンの誇りがまた1つ! ソニーが世界で最初に完成した携帯用テレビ」とた威勢が良い。
しかし、展示機に添えられた説明文には、「世界初の直視型ポータブル・トランジスタテレビだが、『どうせテレビを買うんだったら、まず据え置き型を買うのが先だ』というのが一般の考えであったため、金持ちか、よほどの物好きしか買ってはくれなかった」と、少々自虐的。ビジネスとしてはあまり成功しなかった。
クロマトロンカラーテレビ「19C-70」(1965年)は、ソニーが投入した初のカラーテレビ。クロマトロンは、ソニーが開発したアパーチャーグリル方式のブラウン管だったが、研究費や製造コストがかさみ、また故障も多かったことから社内では「苦労マトロン」などと呼ばれ、量産には至らなかった。
クロマトロンの失敗をもとに、ソニー創業者の1人である井深大氏が自ら開発リーダーとなって作り上げたのが、独自のトリニトロン方式カラーテレビだ。その第1号となる「KV-1310」は1968年に登場。製品発表会は銀座のソニービルで行われた。
1970年代に入ると、ユニークなテレビが数多く生み出される。「KV-1312U」(1970年)は、珍しいレザー仕上げのポータブルカラーテレビ。トリニトロン方式の特長である「構造が簡単」「部品が少ない」といったメリットを生かした。もちろん、現在の基準ではとても“ポータブル”とはいえないが、ハンドル付きで家の中を自由に持ち運べるという意味で“ポータブル”だった。
「KV-1010U」(1971年)は、重量9kgという超軽量(当時)のモバイルテレビ。現在の基準ではとても“モバイル”とはいえないが、ハンドル付きで(以下略)
未来的なデザインがかっこいい「TV-7A」は、チャンネルやつまみ類を本体上部に配置するなど、それまでにない洗練されたデザインをコンセプトに開発された。白とグレーのツートンカラーがスタイリッシュだ。
インパクトのある外観の「FX-300」(1976年)は、ラジオ、テレビ、テープレコーダーが一体になった複合機。飛行機のコックピットや航空シミュレーションの現場にヒントを得てデザインされたという。同時期の「スカイセンサー」シリーズにも通じるデザインだ。「ジャッカル」の愛称で売り出された。テレビ部分は3型の白黒だった。
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