ITmedia NEWS >

スキマ時間で英語が身に付く? カシオの「デジタル英会話学習機」を試す(2/3 ページ)

» 2017年05月31日 14時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

接客業で使える具体的な会話の暗記に最適

 では実際に使ってみよう。電源ボタンを長押しして電源をオンにすると、メニュー画面が表示される。今回紹介する販売・飲食向けモデルの場合、「とにかくひとこと英会話」「接客英会話」「キクタン」という3つのコンテンツに「設定」を加えた計4項目が表示される。

 「とにかくひとこと英会話」を選択して開くと、「まちかど英会話」「接客英会話【販売編】」「接客英会話【飲食編】」の3カテゴリーと、お気に入りの例文を登録できる「MY例文帳」の計4つがメニューとして表示される。それぞれのカテゴリーはSTEP 1〜3に分かれており、その中にさまざまなシチュエーション(トラック)ごとの英会話が収録されている。

 シチュエーションはなかなか具体的だ。例えば「接客英会話【販売編】」の「入店・店内案内」だと、「売り場をたずねられる」「商品を扱っているかたずねられる」「営業時間をたずねられる」といったシチュエーションについて、尋ねられるであろう質問とそれに対する回答が、それぞれ英語と日本語で表示され、かつ同じ内容が音声でも再生される。これらを繰り返し聞いて覚えることで、英会話の基本フレーズをマスターできるという仕掛けだ。

 もちろん実際には、この文章そっくりそのままの質問をされる可能性は低いだろう。とはいえ、ここで出て来るフレーズを暗記しておくことで、含まれている単語や文章の構造などから、何を聞かれているか把握しやすくなるのは間違いない。そうなればしめたもので、後は内容に応じて、同様に暗記しておいたフレーズの内容をアレンジし、回答すればよいというわけだ。

JY-L04 12 「とにかくひとこと英会話」「接客英会話」「キクタン」の3コンテンツを収録する
JY-L04 13 それぞれのコンテンツは細分化されており、接客英会話だけでも「販売編」と「飲食編」に分かれている
JY-L04 14 「販売編」を選択したところ。さまざまなシチュエーションに分類されている
JY-L04 15 再生したいシチュエーションを選択した状態で「登録・決定」ボタンを押し、リピート方法を指定すると、画面と音声それぞれで再生が始まる
JY-L04 16 質問および回答が英語と日本語で表示される。これらは音声と連動しており、自動的に画面が切り替わる
JY-L04 17 回答例。発音はカタカナとひらがなで表示されるので、発音記号が苦手な人でも理解しやすい
JY-L04 18 他の回答例も補足されるので、回答の引き出しを増やしたい場合に有用だ。この他、業界用語を英語でどのように表現するかをまとめた「語句リスト」も用意されている
JY-L04 19 再生は、1つのシチュエーション(トラック)を繰り返す以外に、全てのトラックをリピートすることもできるので、学習形態に合わせて使い分けられる

 ちなみに画面に表示される内容は、「ワンポイント」など画面でしか表示されない一部の解説を除いて、音声に合わせて自動的に切り替わっていくる。一時停止もできる他、速度を5段階で切り替えることも可能だ。またリピート再生では同じトラックを繰り返すだけでなく、収録されている全てのトラックを繰り返すこともできるので、集中的に覚えたい場合と、聞き流したい場合とで使い分けられる。

 使っていて多少気になったのは、1画面に表示できる5行の下に文章の続きがあった場合も、そのことを知らせるマークなどが表示されず、続きを見逃す場合があることだ。明らかに文章が途中で途切れている場合などはマークなしでも分かるのだが、箇条書きなどでは未表示の項番があるのを見逃しがちだ。この辺りは何らかの改善がほしいところだ。

マニアックすぎるセールストークも

 残り2つのコンテツについても紹介しておこう。「デイリースピーキング 接客英会話」は、業種別によく使われるであろう問答を覚えるためのコンテンツで、最初に「土産物屋」「家電量販店」「ドラッグストア」「書店」といった具体的な業種を指定した後、それぞれの業種で想定される問答を学習する流れになっている。

 問答の内容はかなりマニアックで、例えば家電量販店の場合は、デジタルカメラを買いに来た海外客に対して、充電器が日本仕様であることを教えたうえで変圧器も併せて勧めるという、製品の特性も考慮したセールストークが紹介されている。またポイントとして、「単三電池」「単二電池」などの海外での呼び方といった豆知識も紹介されており、業種ごとに知っておかなくてはいけない知識をつけるのに適している。

 学習の流れとしては、まず英語で問答を3回聞いたのち、次に日本語訳も織り交ぜた状態で聞いて内容を確認し、ポイントの確認を経て日本語訳と英語を聞き、最後に仕上げとしてもう一度聞く、という学習方法(デイリースピーキング)が指定されている。リピート再生の方法は指定できるが、音声なしで文章だけ読んで学習することは原則できない仕組みだ。

JY-L04 20 「デイリースピーキング 接客英会話」。本製品では「売り場」「飲食店」の2つが収録されている
JY-L04 21 具体的な業種を指定する。ちなみに飲食店を選んだ場合は「レストラン」「カフェ」などがある
JY-L04 22 まずはゲスト(客)側の会話が表示される。最初は英語だけで聴き、次のステップで日本語訳を確認するという流れ
JY-L04 23 スタッフの返信。単に製品を勧めるだけではなく、変圧器が必要なことを教えるなど内容的にもかなり踏み込んだ問答だ
JY-L04 24 単三電池の英語での表現など、接客に必要な豆知識も網羅されている
JY-L04 25 よく使う問答や、あとで再度チェックしたい問答については「MY例文帳」に登録しておける

 「キクタン英会話」は、チャンツと呼ばれる、リズムに合わせて読み上げられる英単語とその訳を、耳で聴きながら覚えていくコンテンツで、最近の電子辞書では搭載例が多い。内容は特定の業種業態を意識したものではなく、「基礎編」「初級編」「おもてなし編」など、基本的な英単語を覚えるためのコンテンツが収録されている。

 なお、本製品は基本的にイヤフォンを使って学習するというコンセプトだが、この「キクタン」に関しては、チャンツを使わないよう選択すれば画面をめくって覚えることもできるので、イヤフォンを使えないシチュエーションで本製品を使って英語学習を少しでも進めたい場合は、このコンテンツがお勧めだ。完全に覚えた単語にはチェックマークを入れることで、次回は非表示にすることも可能だ。

JY-L04 26 「キクタン英会話」。基本的な英単語を毎日少しずつ発音とともに覚えていくのに適する
JY-L04 27 チャンツをオンにすると、英単語とその意味がリズムに合わせて次々と表示される
JY-L04 28 チャンツをオフにし、英単語を覚えているかチェックリストのように使うことも可能
JY-L04 29 音声の速度は5段階で切り替えられる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.