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» 2017年07月25日 16時16分 公開

これぞ最強のUHD BDプレーヤー! OPPO「UDP-205」を試した (2/3)

[山本浩司,ITmedia]

 それからもう1つ注目すべきは、HDMI出力の高音質化対策。本機は映像用、音声用とそれぞれ指定された2系統のHDMI出力を持つが、音声用HDMI出力に対して「ジッター・リダクション・サーキット」が新たに搭載されている。

映像用、音声用とそれぞれ指定された2系統のHDMI出力

 これはメインプロセッサ(MediaTekの『OP8591』)から出力されるビデオクロックを破棄し、高い安定性と低ジッター性能を兼ね備えたマスタークロックから再生成した音声用クロック信号(44.1kHz系と48kHz系個別に生成)に置換する専用回路である。

 今述べた3つの特長はUDP-205独自のもので、すべて弟機UDP-203には盛り込まれていないフィーチャーだ。

 映像信号処理回路そのものはUDP-203と大きく変わるところはないが、ソニーのプロジェクター「VPL-VW535」を用いて比較してみたところ、予想以上の画質差が確認できた。UHD BDの「ラ・ラ・ランド」では微小信号の再現やノイズの細かさなどでUDP-205の優位性が認められたのである。これは回路パターンや電源回路、筐体設計の違いが画質に反映されたと理解すべきだろう。

 ちなみにUDP-205の電源回路は、オーディオ用の大型トランスを用いたアナログ・リニア電源と映像・制御用スイッチング電源の2本立て。UDP-203はスイッチング電源のみである。

Blu-ray Disc「鑑定士と顔のない依頼人」。国内版の販売元はハピネット。参考価格は5184円

 映画BD「鑑定士と顔のない依頼人」の4Kアップコンバート出力の画質を、高画質で定評のあるパナソニック「DMP-UB900」のそれと比較してみた(ディスプレイは東芝の有機ELテレビ『65X910』)。この比較はなかなか面白かった。ほぼ拮抗(きっこう)する画質といってよいが、レストランでの会食シーンを見ると、UB900のほうがワイングラスの輝やかしさや絵の切れ味で若干上回る印象で、厚みのある色彩表現や陰影の深みでUDP-205がいっそう好ましく感じられた。

 それから面白いアイデアだなと思ったのが、HDR対応を果たしていないSDR表示機器と接続してHDRコンテンツを再生した場合に、その表示機器の明るさの限界(ターゲット輝度)に合わせて画質を最適化できるHDR/SDR変換機能が搭載されていること。とくに1800lm(ルーメン)前後のあまり明るくないHDR非対応プロジェクターをお使いの方にはとても有用な機能だと思う。ゲイン1.0の100インチ相当のスクリーンに投写する場合、1800lm前後のHDR非対応プロジェクターだったら、200〜300nits間で微調整するといいだろう。

背面端子。マルチchアナログオーディオ出力も備えている

 音質面でまず驚かされたのは、マルチchアナログオーディオ出力の音のよさだ。わが家にはマルチchアナログ入力を備えたオーラのプリアンプ「VARIE」(生産終了)があるので、それにつないでリンの6chパワーアンプでエラックの小型2Way機「330CE」を鳴らしてみたが、中低域から中域にかけて十分な厚みを実感させる情報量の豊かな音に驚いた。

 音に芯があり、声に好ましい肉が付き、その実体感の豊かさは途方もない。OPPOには同じES9038PROを採用した単体DACの「Sonica DAC」(これも現在大ヒット中)があるが、聴き比べるとその音の実体感の豊かさで本機UDP-205が上回る印象だ。Sonica DACは、もっとワイドレンジ感とか音の透明感をアピールする方向の音調。聴き応えのある音を好む筆者は、UDP-205に軍配を上げたい。

 とくに5.1ch収録の映画ソフトを見ると、ダイアローグの真に迫る表現や音楽のワイドな広がり感などが好印象で、このハイレベルな表現力をHDMI接続した現状のAVアンプで得るのはとても難しいのでは? と思う。ただし、残念なのはマルチch入力を備えたアナログ・プリアンプが現状でほとんど存在しないこと。どこかのメーカーで開発してくれないかなと本気で思う。AVアンプの音質面の限界を超えるには、UDP-205のマルチchアナログ出力を生かすのがもっとも近道だと思うのだが……。

 もっとも先述した「ジッター・リダクション・サーキット」が生きるHDMI出力の音質も十分にすばらしい。ヤマハ「CX-A5100」を用いてUDP-203とHDMI出力の音質比較をやってみたが、これも誰の耳にも分かるであろう明確な音質差が出た。本機UDP-205のHDMI出力のほうが、静寂の表現に優れており、聴感上のダイナミックレンジで大きく上回るのである。一対比較したわけではないが、HDMI出力の音のよさで定評のあったパナソニック「DMR-UBZ1」よりもいっそう本格的なエネルギーバランスを有していると実感した。

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