3匹が聴く!
そろそろ1クラス上のイヤフォンはいかが?――バイヤーズガイド2014年“春”(実売1万円~2万円編)(3/3 ページ)
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フィリップス「Fidelio S2」
フィリップスが2011年から展開しているオーディオブランド「Fidelio」を冠した初のインイヤー型。2枚の振動板でジェルを挟んで一体化したというユニークな13.5ミリ多層構造振動板を採用し、軽量なアルミハウジングとあわせ、高いレベルでバランスした音を目指した。
Fidelioシリーズは、“音のソムリエ”と呼ばれるフィリップスの「ゴールデンイヤー」(厳しいテストをクリアした音響専門家の認定制度)が認めた製品しかラインアップしていないが、レビュアーの意見は少し割れたようだ。
野村 ☆☆☆☆
クオリティは高く、サウンドもこの価格帯では上質な仕上がり。クリア感とかピュア感を重視した音作りで、派手ながらドンシャリではない。フィリップスで期待値が高かったぶん、もうひと伸びを期待してしまうのが弱点か。
坂井 ☆☆☆
価格通りの音だとフィリップスの場合、やや残念な気持ちに。音はダイナミック型っぽい力強さと、どの帯域も丸みを帯びていて聴きやすい印象。ケーブルの色が黄土色だったり、ハウジングのゴールドは好き嫌いが分かれる。
滝田 ☆☆☆☆☆
ダイナミック型ならでは素直で力強い音と、ゴールデンイヤーがチューニングした繊細な表現が合わさっている。黒にゴールドという筐体はインパクトがありながらも、上品さも内包。さすがはフィリップスといわざるを得ない。
ZERO AUDIO「ZH-BX700-CD」
ZERO AUDIOの上位モデル「ZH-BX700-CD」は、フルレンジのバランスド・アーマチュア型ドライバーを2つ搭載したユニークなモデルだ。
トレードマークともいえるカーボン素材ハウジングの下には、真ちゅう製のチューブがあり、アルミ削りだしのフレームや真ちゅう製のノズルと組み合わせるという、これもまた独特の構造になっている。
野村 ☆☆☆☆
この価格帯では悪くないレベル。ていねいな音作りが感じられ、BAなではのクセも少ない。アニソンでは、アコースティック楽器を多用する楽曲は特にハマる傾向がある。デザインのカーボンは、やはり男性がメインターゲット。
坂井 ☆☆☆
低域のフォーカス感、高域のスムーズな伸び、表現の細やかさなどは一定のクオリティ以上。ただ、カーボンという筐体はやっぱり装着するのに女性は抵抗あり。生楽器の音は得意な感じだけど、装着感が合わず、長時間は聴けない。
滝田 ☆☆☆☆
打ち込み系は微細な音までしっかり聴かせ、BAらしさを発揮しているものの、誇張している感と低域の強い押し出しが少し気になる。曲によってはトゥーマッチ感を感じてしまうかも。見た目のカーボンは男性的でクール。
まとめと補足
このクラスでも満点が出た。オーディオテクニカの新世代モニターイヤフォン「IM-02」だ。音質に加えて装着感の良さを挙げるコメントが多かったのも特長で、逆にネガティブな指摘は見当たらない。全体的なパフォーマンスの高さがうかがえる結果となった。よってIM-02には、「1クラス上のイヤフォンが欲しいならコレ!」賞を授与したい。
2位は12ポイントを獲得したダイナミックモーションの「DM08」とフィリップス「Fidelio S2」だが、レビュアーによって点数に差が出た「Fidelio S2」に対し、「DM08」はオール4という数字。やはり「ピークがない」「聴き疲れしにくい」といった特長は万人受けするようだ。逆に「Fidelio S2」はハマる人にはハマるタイプなのかもしれない。
さて、冒頭のミニコーナーで触れたエージングについて、最後にちょっと補足しておきたい。今回の横並び検証にあたり、試聴機は「エージング済みのもの」を条件にメーカーから貸出機を取り寄せ、新品しかない場合は編集部で48時間のエージングを行っている。
実は、新製品の発表会や試聴会の場でも時々エージング不足を感じることがある。後日、使い込まれた製品を環境を整えて聴き直すと全く違う印象になる場合もあり、新品の状態で製品を評価することの危うさを実感する次第だ。これは、エージングにこだわる野村ケンジ氏の音質レビューを、編集部がたとえ原稿がなかなか届かなくても、支持する理由の1つ。冒頭で野村氏が語った「この子は、もっとできるはず」は、冗談めかしているものの、豊富な知識と経験に裏付けられた言葉なのだ。
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