「さらにブラッシュアップを図った」――パナソニック、ライバルに先駆けてUHD BDプレーヤーのラインアップを強化:CES 2017
パナソニックがUltra HD Blu-rayプレーヤーの新製品3機種を発表した。日本を含むグローバル展開を視野に入れて開発が進められているもの。現行「DMP-UB900」に比べて約54%も小型化した。
CESに出展するパナソニックが、本会期のスタートに先駆けて欧州と日本のプレスに向けたセミナーを開催。Ultra HD Blu-rayプレーヤーの新製品を発表した。
今回発表された新製品は「DMP-UB400」と、ワイヤレスLAN機能の有無が異なる「DMP-UB310」「DMP-UB300」の合計3機種。最上位のUB400はHDMIを2系統備える。いずれも「Ultra HDプレミアム」ロゴを冠するプレーヤーだ。UHD BD再生やNetflixなどVoD視聴のほか、ホームネットワーク、またはUSB経由でのハイレゾ再生も楽しめる。
記者会見に登壇した同社アプライアンス社でBDプレーヤー製品の商品企画を担当する中原勇一郎氏は、「DMP-UB900は世界各国でさまざまな賞を獲得した。一般コンシューマーからのフィードバックも非常に良かったが、その高画質を牽引した最大の要因はエンジンの性能。新製品はさらにブラッシュアップを図った」と語っている。
今回発表された製品はそれぞれ日本を含むグローバル展開を視野に入れて開発が進められているものだ。CESでの紹介はあくまで欧州向けのアナウンスになるが、発売時期や価格の詳細については2月頃、改めて欧州向けに発表が行われる予定だという。なお、欧州ではUB900のほか、国内ではDMP-UB90に相当する「DMP-UB700」という、UHD BDプレーヤーも先行発売されている。今回発表のあった2製品はその下のラインアップとして加わるミドルエントリークラスのモデルとみて良さそうだ。
実機を見て驚くのはそのサイズ感。UB900よりも筐体(きょうたい)を約54%も小型化した「アドバンスド3Dカットデザイン」を採用した主な狙いについては、「今年は当社のほかにもUHD BDプレーヤーをライバルが続々と発売するだろうとみている。UHD BDのタイトル数は北米で100作品を超えて伸び盛りだ。これからのUHD BD時代の到来に先駆けて、パナソニックがエントリー層にも導入しやすいプレーヤーを先行して発売することで市場をリードしていきたいからだ」と中原氏が語ってくれた。
映像処理回路にはUHD BDプレーヤー向けに最適化された「HCX」プロセッサーを搭載。高精細な4K映像を再現する「4Kダイレクトクロマアップスケーリング」や4K/60p/36bit出力にも対応する。再生可能なハイレゾのファイル形式はWAV/FLAC/ALAC、および5.6M/2.6MHzのDSDとなる。
パナソニックでBDレコーダーやBDプレーヤーの開発に携わるエンジニアの甲野和彦氏によれば、UB400、UB300ともに4K/HDRコンテンツのパフォーマンスを最大限に引き出す映像処理エンジンには、UB90と同じ「4Kリアルクロマプロセッサ」が搭載されているという。そのうえで、ユーザーの視聴環境に合わせて、HDR映像の視聴時に映像全体の明るさを12ステップで調節できる機能を新しく乗せている。
記者会見の会場では、UB400の実機を使って、映像の明るさを「薄暗いモード」「明るいモード」の2種類のプリセット値で切り替えて、照明を落とした部屋、明るい部屋でそれぞれ快適なHDR視聴が楽しめることが確認できた。HDR映像の実力を手軽に引き出せる、シンプルだがとても便利な機能になりそうだ。
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