金融サービスを提供するSBIホールディングス(証券コード:8473)の株価が低迷を続けている。年初来高値は5万4400円(2月26日)だが、7月27日の終値は3万5950円だった。さらに2005年5月26日に付けた上場来安値3万2200円に近づいている状況だ。
SBIホールディングスの決算内容は決して悪くない。2007年3月期決算は4期連続の増収増益を確保。経常利益は対前年同期比76.6%増の906億9600万円、当期純利益は1.2%増※の464億4100万円となった(5月1日の記事参照)。
だが直近の会社四季報によると、同社の当期純利益は対前年同期比でマイナス予想を出している。2008年3月期の当期純利益は、対前年同期比−31.10%の320億円、2009年3月では−10.94%(同)の285億円としている。こうした業績予想に嫌気を感じたのか、ここ3カ月の株価は4万円前後で推移している。
フィスコの佐藤勝己チーフアナリストは、SBIホールディングスの株価をこう分析する。「新興市場が調整から脱していないので、主力事業の1つSBIイー・トレード証券の収益環境が厳しい。さらに新興市場の低迷は、ベンチャーキャピタル事業にも大きく影響している」。この2つの要因があるため、全体的にアナリストの評価は厳しく「株価も新興市場に連動した動きとなっている」という。
ただ、大型ファンドの償還で収益を上げれば「前期を上回る利益が計上されるかもしれない」とも。SBIホールディングスの2008年3月期第1四半期決算は7月31日。「当期純利益の見通しは−31.10%だが、増益が発表されると『買い』が入るだろう」と予測する。
さらにSBIホールディングスは、日経平均株価の採用銘柄として有力視されている。例年、9月前半に採用銘柄が発表されるため、証券会社などは8月頃から予想を出す。「もし採用銘柄になれば、インデックス・ファンドの対象となるので積極的な売買の対象となるだろう」。7月31日の決算で増益の発表があり、日経平均株価の採用銘柄になれば「短期的には強い動きを示す可能性が高い」と分析した。
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