サブプライムショックの8月、7割以上の個人投資家が株で損失

» 2007年09月10日 14時18分 公開
[Business Media 誠]

 米国のサブプライムローン(低所得者向け住宅ローン)問題に端を発した株安局面で、損失を出した国内の個人投資家は73%に達していることが、ロイター・ジャパンの調査で明らかになった。一方、利益を出した人はわずか4%、大きな影響がなかった人は24%だった。今年の2月末から3月初めに株価が急落した局面で、損を出した人は61%だったことから、今回の世界同時株安の影響が大きいことが浮き彫りとなった。

 ロイターは9月7日、「個人投資家9月調査」を発表した。同社のメールマガジン購読者1117人(男性92%、女性8%)が回答し、金融資産は500万円未満が21%、500万(以下同)〜999万円と1000〜1999万円がそれぞれ19%、2000〜2999万円と3000〜4999万円がそれぞれ13%、5000〜9999万円が11%、1億円以上が3%。年齢層は20代4%、30代21%、40代23%、50代21%、60代23%、70代8%だった。調査期間は8月26日から9月2日までで、サブプライムローン問題での市場の混乱は一服、株価は戻しつつある状況だ。

今年末の日経平均株価は約7割が回復と予測

 日経平均株価の水準については、年末までに1万7000円〜1万7999円と回答した人が34.9%で最も多く、次いで1万8000円〜1万8999円が32.9%と、約7割の人が「株価は回復する」と予測しているようだ。

 今年中の日経平均株価の高値は、1万8000円〜1万8500円が最も多く26.1%、1万7500円〜1万8000円が22.5%、1万7000円〜1万7500円が17.9%だった。一方で安値の見通しは、1万5000円以上が51.2%、次いで1万4500円〜1万5000円が25.1%という結果となった。

 12月末時点での日経平均株価は、約7割の人が1万7000円〜1万9000円と回答したが、「米国景気の減速感が指標に表れ、つられて中国景気の減速懸念が台頭する」(30代男性)、「景気が減速気味なので、それほど上値を追う勢いはない」(50代男性)など、弱気の意見もあった。

 その半面「カネ余りは続いているので、また株式に投資資金が流入する」(40代男性)、「新興国需要に支えられ、世界経済は堅調に推移する」(70代以上の男性)という声もあった。

今年12月末時点での日経平均株価は、1万7000円〜1万7999円の見通しが最も多い

FXで損を出した人は2割

 今回の株安では為替が連動したため、円高ドル安が進行した。外国為替証拠金取引(FX)をしている個人投資家で、損を出した人は20.4%、損を出していない人は21.2%と、ほぼ同じ割合だった。損失を出した人に対し「どのようにカバーしたか」という質問には、「預金を取り崩した」が51%で最も多く、次いで「株式を売った」人が44%という結果が出た。

 投資しようとしている、または投資金額を増やそうとしている金融商品では、株式投信やREIT(不動産投資信託)、商品相場、FXが前月比で上昇した。その半面、国内と外国株式、国債、外国債券、外貨預金などが低下した。

 株式投信と答えた回答者に「どの国・地域への投資を考えているか」という質問には、インド、アジア・オセアニアの関心が高かった。またブラジルは、2006年1月の調査開始以来、最も人気が上昇した。

 投資対象を業種別に見ると、素材が7カ月連続でトップ、次いで多かったのは自動車だが、前月比で14ポイントも下落した。薬品・健康は2カ月連続で改善、IT・ハイテクは変わらずだった。

 現在、投資をしたい株については、割安株が前月比で6ポイント増の61%、発行済みの株数が少ない小型株が同2ポイント増の18%だった。一方で、将来性などが期待できる成長株は同−5ポイントの42%、国際優良銘柄が−2ポイントの48%という結果となった。

投資対象を業種別で見ると、前月比で自動車が大幅に下落

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