トイレを見ればその会社の勢いが分かる理由

» 2007年11月20日 00時00分 公開
[中野恵美子,Business Media 誠]

 最近、さまざまな業種で不祥事が発覚している。世間の評判が高く、外からは優良企業のように見える会社が、実は問題を抱えている……というケースも少なくないようだ。社会的な大問題にでも発展しない限り、その会社が問題を抱えているかどうか、外部の人間が知るチャンスは少ない。しかし就職、転職などを考えている人にとっては、「ことが起こって初めて分かる」のでは遅すぎる。成長する会社、下降線をたどる会社を見分けるコツはないものだろうか?

 一般に、小さくても勢いのある会社は、職場の雰囲気も明るく、目に見えない“成長エネルギー”のようなものが感じられる、と言われる。それとは逆に、大企業と言われる会社でも、社員に覇気がなく、社内の空気がどんよりしている場合は、一流企業としての強じんさは、すでに失われていると見て良いだろう。

 とは言え、こうした「空気感」を判断基準とする手法を、実行するのはなかなか難しい。部外者として訪問する限り、社員が働く普段の姿をじっくりと観察する機会が、得られるかどうか分からないからだ。もっとチェックしやすく、判断基準としても精度の高いものはないかを探ってみたところ、意外なポイントが浮上した。「トイレ」である。

多くの女性が会社のトイレをチェック

 人材派遣会社数社への取材で判明したところによれば、派遣社員として多数の会社を経験している女性たちほど、口を揃えて「その会社のパワーは、お手洗いを見て判断する」と言うのだそうだ。トイレの清潔さはもちろんのこと、窓や照明、内装などの雰囲気といったものを、非常に多くの女性たちがチェックしている。実際に彼女たちは、「トイレがダメな会社は企業としてもNG」、あるいは「トイレに違和感を感じた会社は、結局自分には合わなかった」という経験を、何度もしている。非常にプライベートな空間だけに、トイレは職場の居心地の良し悪しを、1番端的に感じ取れるのかもしれない。

 また、派遣社員としての経験が豊富な人ほど、「建物の中のトイレの位置」を気にする傾向も見られる。こんな場所にあってほしくない、と感じた途端、その会社で働く自分がイメージできなくなる、と言う人もいる。家相や風水の知識から言っているのではなく、個人的な経験の中で、そうした感覚を培ってきたようだ。そして実際、彼女たちのトイレ診断は、成長する会社、下降線をたどる会社を見分ける精度が高いという。

 転職の予定のない人も、自社のトイレが及第点をもらえるかどうか見直してみてはいかがだろうか?

会社 トイレの場所
下降する会社 ビルの奥まったところ
薄暗いところ
階段の途中(小さい会社ではありがち)
鬼門(東北が表鬼門、南西が裏鬼門だが、特に表の方。家相を知らなくても、表鬼門のトイレは陰気で薄暗いと感じる人は多い)
成長する会社 照明に気を配っている
セキュリティがしっかりしている
掃除が行き届いている(清掃直後にべちゃべちゃ濡れているような掃除はNG)
消毒薬や安っぽい芳香剤などの臭いがしない
「洗面台の横に使いかけのトイレットペーパーが置いてあって、みんなが手を拭くのに使っているらしき痕跡」がない

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