ほかの人がどんな風にクレジットカードを使っているかは、なかなか知る機会がないもの。今回はBusiness Media 誠の執筆陣に登場していただき、どんなカードの使い方をしているか教えてもらいました。
「あなたのクレジットカード見せてください」と題した年末年始の特別企画。4回目に登場していただくのは、毎週水曜日と金曜日の連載・時事日想でおなじみの神尾寿氏です。神尾さんは、今回インタビューした中で一番のカードヘビーユーザー。どんなカードを、どのように使い分けているのでしょう?
――神尾さんが使っているカードを見せてください。
神尾 まずメインが、三井住友カード発行のANA提携カード「ANA SUPER FLYERS CARD」。他に、JR東日本発行の「ビュー・スイカカード」や、トヨタファイナンス発行の「JOMOカード」も稼働率が高いです。あとは「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」(アメックス・ゴールド)とか、無印良品の提携カード「MUJI Card」なども持っています。
――どういう方針で使い分けているのですか?
神尾 一番よく使うのが、メインカードのANA SUPER FLYERS CARDです。携帯電話料金、公共料金、ISPの料金など、引き落としされるものはすべてこれ。ETCもこれにひも付いていますし、ほとんどのFeliCa決済(iD、Edy、PiTaPa)もこれと連動しています。もちろん、店頭でも使います。家族カードもあって、それは妻が使っています。できるだけ支払いはこれにまとめて、マイルを貯める方針です。
ビュー・スイカカードはモバイルSuicaのチャージ用ですね。仕事柄移動が多いし、電子マネーとしても使うので、Suicaチャージだけで月4〜5万円使うんです。あと新幹線のチケットを買うときも使っています。ビューカードは、みどりの窓口での利用やSuicaへのチャージは、ポイントが通常の3倍付くので、年会費500円はすぐ元がとれると思います。
JOMOカードはガソリンスタンドで使うためのカード。発行はトヨタファイナンスなので、QUICPayはこれにひも付いています。アメックス・ゴールドは、日本語デスクや(旅行)保険が充実しているので海外に行ったときのためのカードになりつつあります。MUJI Cardは年会費無料のカードで、年に数回、無印良品で10%オフで買い物できる期間があるので、そのためですね。
実際に持ち歩いているのは、ANA SUPER FLYERS CARD、ビュー・スイカカード、JOMOカードの3枚ですね。あとは「使う時だけ持ち出す」感じです。
――交通系のカードが多いですね。
神尾 はい。飛行機、鉄道、自動車関連、それにホテルを加えると、カードの支払総額の7割くらいになっていると思います。ほとんどは仕事のために乗っているわけですが。仕事でマイルを貯めて、(プライベートの)家族旅行に行く、というパターンです。
――ANA SUPER FLYERS CARDと、アメックスの2枚がゴールドカードですよね。ゴールドカードって2枚も必要なのでしょうか?
神尾 いや、必要ないですよ。私自身、無駄だと思っています(苦笑)。アメックスはアメリカ出張時には役立ちますし、何度か部屋のアップグレードを受けた経験もあってメリットもあるのですが、ゴールドの年会費に見合う使い方をしているかというと「No」でしょうねぇ。近々、グリーン(一般カード)にダウングレードするか、プライオリティパスが付帯する別のカードに乗り換えようかと考えています。アメックスのカードデザインは好きなんですけどね。
――いくらくらいからカードを使いますか? カードのほか、FeliCa決済も使っていると思いますが。
神尾 私は、ほとんど現金で支払わないんですよ。FeliCa決済が使えるところなら100円いかなくてもFeliCa決済を使います。FeliCa決済非対応のお店でも、サインレスやEMV(※)対応なら、100円単位でもカードを使いますね。さすがにサインが必要な場所だと、1000円以上から(のカード利用)にしていますが。あとタクシーでは、できるだけFeliCa決済対応のタクシーを選び、非対応の場合はタクシーチケットを使っています。お金の管理のために、できるだけ現金を使わないようにしているんです。
――どうやって管理しているのでしょう。
神尾 まず、利用するカードの数をできるだけ少なくすること。現状では無理ですが、本当は1枚に絞るのが理想だと思います。クレジットカードは、Webで明細が確認できるので、大体週に1回くらい確認します。こうして週ごとに大まかな支出を把握するようにしています。
どうして現金が嫌なのかというと、お金の動きがつかめないからなんですね。フリーで仕事をしているので、支出をカードにまとめることで、経理作業をできるだけラクにしたいという気持ちがあります。たくさんの現金が手元にあると気が大きくなって無駄遣いしてしまいそうですし、レシートで支出を全部管理するのは大変ですから。
――でもクレジットカードだと、支払いレシートとクレジットカードの利用明細と2枚受け取ることになりますよね。かえって面倒ではないですか?
神尾 カードの都度ごとの利用明細は1カ月だけとっておきます。1カ月分だけ利用明細を放り込んでおく、テンポラリの箱があるんです。1カ月過ぎ(てカード会社からの請求と利用を突き合わせ)たら、処分して大丈夫ですから。
――支出をできるだけカードに集約すると、メインカードの利用額はかなりの額になりますよね。どうしてANA SUPER FLYERS CARDをメインにしているのですか?
神尾 私は飛行機の利用が多いので、航空系カードのメリットが得やすい。となると、JALかANAのカードが選択肢になるわけですが、国内出張でも多く利用することから(国内線の充実している)ANAをメインの航空会社に選び、クレジットカードもANAカードをメインにしました。ANAはJALより先に国際アライアンスのスターアライアンスに加盟していたことも、選択のポイントになりましたね。
さらに三井住友カード発行のANAカードは、(ANA SUPER FLYERS CARDも含めて)非常に汎用性が高いんですよ。私の場合、できるだけ現金を使いたくないので、できるだけ汎用性が高くて、いろいろなものをひも付けられるカードがありがたい。このカードの場合、まずVISAブランドが汎用性が高いですし、EMV対応で、私はおサイフケータイを使っていますがEdy機能も内蔵している。また、オプションカードやFeliCa決済もETC、PiTaPa、iDなどさまざまなものにひも付けられます。
私はANAとスターアライアンスの利用を重視したので、ANA SUPER FLYERS CARDにしていますが、いろいろな航空会社を利用する人で汎用性を求めるなら、三井住友カードのプロパーVISAカードがいいでしょうね。
仕事柄、出張が多くて交通費や宿泊費が多くなりがちでして、毎月50万円以上はカードで支払っています。これだけ使っていれば、マイルもかなりのペースで貯まります。年に2〜3回、家族4人で特典航空券で国内旅行に行っています。特に沖縄や北海道はマイルで行くのがオトクですね。
――何か、オススメな使い方や変わった使い方をしているものがあれば教えてください。
神尾 航空系カードは航空券購入や搭乗でのマイル優遇だけでなく、関連する分野で様々な特典があります。ですから、出張や旅行はすべて同じ航空会社系列でまとめると、お得なんです。
例えば、ANA SUPER FLYERS CARDの場合、ANAの上級会員資格とセットになっていることもあり(※)、ANAブランド(現在はIHGグループ)のホテルで、専用の宿泊プランや部屋のアップグレードがあります。あと、うれしいのが空港での割引ですね。空港でお土産を買うときに、ANA FESTA(ANA系列の土産物店)だとANAカードを提示するだけで10%オフになるんです。これは結構大きいですよ。
一方、アメックスでは、少し前からポイントがヨドバシカメラで利用できるようになっています。3000ポイントで1000円の商品券と交換なので、レートはそこそこですが、他のマイルに替えるのも手数料が高いし、中途半端に貯まったポイントの使い道としては非常にオススメです。
――何か、気になっている点や困っていることがあれば教えてください。
神尾 Web明細の機能をもっと使いやすくしてほしいですね。例えば、自分で項目別にチェックを付けられるようにして、チェックがあるものとないものを分けて表示するとか、データをExcel形式で直接書き出すとか、それくらいできるとずいぶん便利になると思います。
あとはFeliCa決済を1枚のカードにまとめたい! 現状では「これ1枚持っていれば全部使える」というカードがありませんから。QUICPayとスマートプラスも、メインカードにまとめられるといいんですけど。
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