第4回 最も重要な伝票入力を比較してみたパソコン好きが青色申告を体験してみると?(5/6 ページ)

» 2008年02月18日 12時00分 公開
[奥川浩彦,ITmedia]

伝票入力──やるぞ!青色申告2008(ホロン)

 「やるぞ!青色申告2008」ではメインメニューから[伝票入力]を選択すると、[振替伝票形式][出納帳形式][売掛帳形式][買掛帳形式]の選択画面が表示される。通常の経費入力は[振替伝票形式][出納帳形式]を選択する。最初は[出納帳形式]を使ってみた。

 [出納帳形式]を選択すると科目選択の画面に切り替わる。ここで現金で支払った場合は[現金]をクリックする。入力画面に切り替わったら[新規]をクリックすると1行追加される。この後の操作は基本的に自分で勘定科目を選択することになる。事務用品の場合、[コード]をクリックするとプルダウンメニューが表示されるので[消耗品費]を選択する。適用に事務用品と入力、金額も入力し[保存]をクリックする。振替伝票形式で確認すると借方に消耗品費、貸方に現金と仕訳されていることが分かる。同様に雑誌は雑費を選択して入力する。

「やるぞ!青色申告2008」のメインメニューまずは伝票入力を選択。経費を[出納帳形式]で入力してみる。お財布から払った場合は[現金]だ

まずは日付を入力事務用品は相手科目に消耗品費を選択し、摘要と出金に金額を入力。便利機能として仕訳を登録することが可能

振替伝票で確認すると、借方に消耗品費、貸方に現金と確認できる。雑誌の勘定科目は雑費をプルダウンメニューから選択。摘要と金額を入力して完了

 「やるぞ!青色申告2008」では[仕訳補助機能あり]にチェックを付けておくと[仕訳ナビ]のボタンが表示される。タクシー代の入力はこれを使ってみたい。[出納帳形式]の画面にも[仕訳ナビ]のボタンは表示されるが、選択した項目の入力まではできず、ヘルプ機能にとどまってしまう。[振替伝票形式]では入力まで行うことができる。

 [振替伝票形式]−[仕訳ナビ]と選択すると仕訳ナビゲーションが表示される。ここには240項目の仕訳例が掲載されていて検索もできる。キーワードに[交通費]と入力し[検索実行]をクリックすると2つの結果が表示されたが、貸方科目が普通預金、そのほかの預金となってしまった。タクシー代を銀行引き落としで払う人はあまりいないと思われるのだが……。この画面でもマウスのスクロールボタンが使用できない。項目数が多いだけにやや操作性が悪い印象だ。スクロールバーで1行ずつ確認すると、借方が旅費交通費で貸方が現金の仕訳を見つけることができた。試しに[タクシー]と入力して検索したら、一発で探していた仕訳が表示された。

 検索結果の[詳細説明]をクリックすると仕訳パターンの画面が表示され、簡単な解説も表記されている。ここで[転記]をクリックすると[振替伝票形式]に借方が旅費交通費、貸方が現金の伝票が自動的に入力される。日付、摘要、金額を入力して保存すれば完了だ。

仕訳ナビで交通費を検索するが貸方科目に現金が見つからなかった。1行ずつ探すと借方に旅費交通費、貸方に現金の仕訳例は確かにある

試しに[タクシー]で検索したら、一発で目的の仕訳が見つかったチョット不思議。[詳細説明]をクリックすると解説ページを表示。[転記]を押すと振替伝票に。借方に旅費交通費、貸方に現金と仕訳された日付、摘要、金額を入力すれば完了

 ここまでの入力操作で少々気になったのは日付の入力だ。「やよいの青色申告08」「みんなの青色申告9」は会計期間を2007年1月1日から12月31日に指定すれば、自動的にその期間の日付で入力されるし、そもそも年の入力はなく月日の入力だけとなっている。

 これに対し「やるぞ!青色申告2008」ではデフォルトが入力日の日付となるので、うっかりすると2008年のまま入力してしまう。一度2007年で入力すると、次の伝票からは2007年と表示されるが、最初の入力では注意が必要だ。加えて2月28日と入力する際、0228ではエラーとなり02.28か02/28で入力する必要がある。「やよいの青色申告08」の場合は0228か02/28と入力、「みんなの青色申告9」場合は0228、02.28、02/28のどれでも受け付けてくれる。1年分の伝票入力はそれなりの量となる。細かなところだが0228式の入力にも対応してもらいたい。


 水道光熱費は振替伝票形式で入力してみたい。[振替伝票形式]−[新規]で新しい行(伝票)が表示されるので日付を入力し借方の[コード]をクリックし、プルダウンメニューから[電気代]を選択する。プルダウンメニューには勘定科目と補助科目が区別なく表示される。[水道光熱費]の下に補助科目として作成した[電気代][水道代][ガス代]が並んで表示される。補助科目の区別がないのはやや違和感があるが、勘定科目と補助科目をそれぞれ選択するより操作は少なくなっている。貸方も同様に[現金]を選択し金額を入力すれば完成だ。

[振替伝票形式]で電気代を入力補助科目も一緒に表示される。貸方は[現金]を選択し、摘要と金額を入力して完了

 次は同じ伝票の行コピーと行きたいところだが、残念ながら「やるぞ!青色申告2008」にはその機能がない。似たようなことができる機能として「よくある仕訳登録」があるので試してみたい。[設定・登録]−[よくある仕訳登録]で事前に登録することも可能だが、一度伝票入力した内容であれば[振替伝票形式]の[よくある仕訳]−[登録]をクリックするだけだ。

 実際に入力で使用する際は、[振替伝票形式]を選択し[新規]をクリック、[よくある仕訳]−[検索]で表示された中から選んで[転記]をクリックすると借方、貸方の仕訳と摘要が記入される。日付と金額を入力すれば完成だ。同じ項目を大量に入力する場合は少し面倒だが、年間を通じて頻繁に入力するパターンなら便利な機能だろう。

よくある仕訳に登録したい伝票(行)の、日付の下の[登録]をクリックすると「よくある仕訳自動登録」ができる。[振替伝票形式]−[新規]で伝票(行)の、日付の下の[検索]をクリックすると登録済みの仕訳が表示される

[転記]をクリックすると同じ仕訳が摘要までコピーできる。日付と金額を修正すれば完了

 次は売上と回収の入力だ。[売掛帳]を選択すると、登録済みの得意先が補助科目として表示される。[ABC出版]を選択し[新規]をクリックする。[コード]をクリックしてプルダウンメニューから売上高を選択し売上金額を入力する。入金の入力も同じ画面でコードのプルダウンメニューからアイティー銀行を選択し、受入金額を入力する。源泉徴収は事業主貸の補助科目として設定した源泉徴収を選択、支払手数料は選択肢がないので雑費とした。

 振替伝票形式で確認すると、売上は借方がABC出版、貸方が売上高となっている。借方のABC出版は勘定科目は売掛金で補助科目がABC出版だが表記上はABC出版とだけ表示される。回収も同様に貸方は売掛金ではなくABC出版と補助科目が表示される。以上で「やるぞ!青色申告2008」の入力は完了だ。

売上の入力は[売掛帳形式]をクリックして得意先を選択し、日付を入力し、相手科目に[売上高]を選択。金額を入力すれば完了……。と思ったが日付に注目。2008年のまま作業するがしばらく気付かない

回収は相手科目に[IT銀行]を選択。ここでも日付は2/28に変更したが2008年のまま

摘要と金額を入力する。相手科目に[事業主貸]の補助科目[源泉徴収]を選択。金額を入力。支払手数料の選択がなかったので雑費を選択すべての入力が完了してから間違いに気付いて2007年に修正。借方、貸方科目に補助科目の表示がないのはやや違和感があるが入力完了

消費税8%時代の確定申告

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.