エコロジーやCO2削減、原油高、再生可能エネルギー――。こうした昨今話題のキーワードに対応して、太陽電池や燃料電池を使った製品やサービスが、ニュースに登場する頻度が増えてきた。
でも、太陽電池や燃料電池っていったい何だろう? 電池っていうからには、乾電池のようなもの? それともノートPCのリチウムイオンバッテリーのようなもの?
基本でありながら根源的な誤解を生んでいるのが、“電池”という名前。普通は、電気が溜まっている池のように思うものだが、実は違う。
太陽電池は太陽の光など、光を浴びて電気を生み出す、言ってみれば“発電機”。燃料電池も水素やメタノールなどの燃料を使って電気を作る“発電機”なので、電気は溜まっていない。だから乾電池のように使い終わってしまうようなものではないし、充電が必要なものでもない。
そもそもは英語の名前にも問題がある。英語で電池をどう呼ぶかというと、
というわけで、○○ battery [cell]ということが多い。これを電池と訳せば、太陽電池や燃料電池となる。実際は発電機のように動くのに、電池なのだ。
「燃料電池という呼び名が、実は普及の妨げになっているのではないか。オール電化のような良い通称を付けたほうがいいのではないか」。新日本石油のFC(燃料電池)事業部長である山口益弘氏が、「FC EXPO2008」の講演でもらした言葉だ。
ちなみに、2月27日に東京ビッグサイトで行われた「第1回 太陽電池展」の英語表記は“Photovoltaic Power Generaton Expo”。略して「PV EXPO 2008」である。
Photovoltaicとは英語で「光起電性」の意。光を受けて電気を起こす太陽電池の原理のおおもとでもある。Power Generationは発電。つまり“光発電”“太陽光発電”の意味になる。
日本では、太陽電池の名前からSolar Cellと呼ばれることが多いが、海外ではPhotovoltaicとか、PVと呼ばれることが多いのだという。
太陽電池も燃料電池も電気は蓄えない。そして、Solar Cellではなくて、PV。身の回りでもエコやエネルギーの話題が出る昨今、ちょっとした知識として覚えておきたい。
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