200円の割引というと少額に感じるかもしれないが、「タイムズ幸手駅前」の最大料金は24時間600円だ。そのためクルマから電車に乗り換えて、パーク&ライドサービスを利用すれば、たった400円で丸々1日駐車しておくことができる。また細かなことだが、PASMO/Suicaの降車履歴確認では終電情報も加味されるため、「駐車日の終電を利用した場合は、日付が変わっていても同一日の利用とみなしてパーク&ライドサービスを適用する」という。
「(PASMO/Suicaなど)交通ICカードの降車履歴を確認する方法は、駐車場のパーク&ライドを行う上で、(利用者に)使いやすく、確実なサービスが実現できます。そのため鉄道会社の協力が欠かせません」(パーク24 事業企画部事業推進部TONICグループマネージャーの岩淵泰治氏)
今回、首都圏で初めてPASMO/Suica連携のパーク&ライドサービスが導入できたのも、この事業に東武鉄道を始めとする鉄道会社各社の理解と協力が得られたからだという。
実際の利用の流れは下の動画を見てもらうとわかりやすいが、パーク&ライド利用といっても、駅で利用するPASMO/Suicaを“かざすだけ”なので使い方は簡単だ。さらに決済までPASMO/Suica電子マネーを使えば、小銭を扱う煩雑さからも解放される。交通ICを使うことで、パーク&ライドのような連携サービスが使いやすいものになるというのは間違いない。
パーク24では「TONIC (Times Online Network & Infomation Center)」と呼ばれるオンライン駐車場管理システムを早期から導入しており、現在は同社の約7500カ所のタイムズ駐車場のほぼすべてが通信経由で情報センターにつながっている。このTONICのインフラによって、クレジットカード決済やFeliCa決済、独自のポイントサービスに対応しているのだ。
パーク&ライドについては、大阪で「OSAKA PiTaPa」を用いたシステムを導入し、今回のPASMO利用のものが2例目となるが、Suica/PASMOなど交通IC電子マネー決済への対応は急ピッチで進んでいる。現在、約40カ所のタイムズ駐車場が、交通IC電子マネーに対応済みだという。
「決済の部分で見ますと、Suica/PASMOなど交通IC電子マネーの利用は急拡大しています。利用全体の15%以上がSuica/PASMO決済というところも出てきている。クレジットカードの利用率は平均5%前後なのですけれども、全体的に見ても交通IC電子マネーの利用率はそれ(クレジットカード)より高い傾向にあります」(岩淵氏)
もちろん、これらSuica/PASMO対応のタイムズは、駅近隣に用意されているという立地的な連携のしやすさという要因もある。しかし、交通ICを含めたFeliCa電子マネーがコインパーキングと相性がいいのは明らかだ。
「コインパーキングの平均決済額は約700円。金額的に電子マネーとはとても相性がいい。実際、Suica/PASMOに対応したタイムズでは、お客様のリピート率が上昇するという効果も現れています」(岩淵氏)
公共交通とクルマの賢い使い分け。クルマ依存度を減らし、公共交通と連携することが、21世紀型の新たな交通社会構築の鍵になる。Suica/PASMOなどFeliCaをベースにする交通ICと、クルマから公共交通に乗り換えるポイントになるコインパーキング。両者の連携は、今後さらに発展・拡大していきそうだ。
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