まずはやってみよう――第2回 外貨投資のいろいろ1-2.FXの基礎講座(2/2 ページ)

» 2008年08月13日 08時00分 公開
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外貨投資と株式投資の違いは?

 外貨投資を、投資の代名詞ともいえる株式投資と比較してみよう。

 株式投資では、今後業績が上がりそうな会社の株を買うことが基本となる。ところが国内上場会社の数だけでも約3800社もある。会社選びが大変なうえ、もしも選択が間違っていたら、倒産で株券は紙くずということもある。この点、外貨投資の対象となる外貨は7種類程度で1つ1つを検討しやすい。また、主要先進国の通貨は、株券のように紙くずになる心配は少ない。さらに値動きを見てみると、例えば株式は1日で1株100円が110円になることもあるが、為替レートは100円が102円になるなど値動きが大きい日でも1〜2円程度である。

 為替は株式より取っ付きやすいといえるだろう。

外貨投資と株式投資の比較

項目 外貨投資 株式投資
銘柄数 主要な通貨は7種類ほど
(商品によって異なる)
国内株式は約3800銘柄
価値がゼロになる可能性 通貨の価値がゼロになる可能性は大変低い 企業倒産で価値ゼロ
値動き 1日の変動は大きくても1〜2円程度 1日で1株100円が110円になることもある

外貨投資の2つの効果

 為替レートとは通貨の価値を表しており、常に変動している。そういわれても「あまり身近に感じられない」という人も多いだろう。しかし生活に必要なほとんどの物資を輸入に頼っている日本では、実は為替レートの動きは、実生活に大きく影響しているのである。

 例えば、海外ブランド品のショップを訪れると、以前とは値段が違うことに気付くときがある。これが為替レートの影響だ。

 ブランド品以外でも、私たちの身の回りは海外からの輸入品で溢れている。洋服やバッグ、靴などの服飾品、肉や魚、野菜などの食料品、建築素材など、衣食住の全般にわたって輸入に頼っているのが現状だ。たとえ国産品であっても、石油などの原材料は輸入というケースが多いのだ。ちなみに、内閣府の発表によると2007年の家計最終消費支出に対する輸入の割合は約20%となっている。つまり為替レートが動くことで家計に少なからず影響が出る可能性がある。

 例えば、急に円の価値が下がると輸入品の値段は上がり、円しか持っていないと買う予定のものが買えない、つまり、自分が持っているお金の価値が実質的に減ってしまうということになるかもしれない。

 ところがこのようなケースでは、外貨を持っていればそれを円に換金することで予定通り買い物ができる。つまり、自分のお金を減らさずに済むのだ。

 一般的に、外貨投資はその利息や為替差益を狙って投資するものだが、このように為替が動くことによる家計への影響も考えると、生活防衛を目的として外貨投資を考える必要があるかもしれない。

 外貨を持っていると、例えば1ドルが100円から120円に大幅に上がったとしても海外旅行に出かけるときは持っている外貨を使えばよく、反対に80円に下がった場合は、円を使えばよい。つまり、その時々で有利な通貨を選んで使うことで自分のお金を減らさずに済むことになる。海外旅行に限らず、日常品でも同様に対処できる。

 このように自分のお金の一部分を外貨で持つことによって、為替レートの変動に耐えうる家計ができるのだ。

タイプ別 外貨投資の2つの活用法

タイプ 活用法
利益追求タイプ 外貨を安いときに買って高いときに売るという売買を繰り返す。
利益を得ることもあるが、損失を被ることもある。
生活防衛タイプ 余裕のあるときに外貨を買っておき、必要に応じて使う。
為替レートの動きに動じない家計づくりができる。

 →第3回 FX(外国為替証拠金取引)とは

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