どうなる、こうなる首都圏の道路網――(最終回)首都高・圏央道編近距離交通特集(1/4 ページ)

» 2008年12月16日 16時23分 公開
[青山祐輔,Business Media 誠]

 大きな変化の時期を迎えている首都圏の高速道路事情をお伝えしてきたシリーズ「どうなる、こうなる首都圏の道路網」。最終回となる今回は、3環状の中で最も大きく、最も外側に位置する「首都圏中央連絡自動車道(圏央道)」の現状についてお伝えする。

 →どうなる、こうなる首都圏の道路網――(1)都心を囲む3つの環

 →どうなる、こうなる首都圏の道路網――(2)首都高・中央環状線編

 →どうなる、こうなる首都圏の道路網――(3)東京外かく環状道路編

超巨大なリング「圏央道」

 首都圏中央連絡自動車道、通称「圏央道」は都心から約40〜60キロメートル付近を走っている高速道路だ。神奈川県、東京都、埼玉県、茨城県、千葉県と一都四県をまたぐ、直径約100キロメートルにも及ぶ超巨大なリングとなっている。全線開通は2015年を予定しており、総延長距離は約300キロメートルにもなる。

 圏央道は神奈川県横浜市を皮切りに、厚木市、八王子市、川越市、つくば市、成田市といった首都圏周縁部の中核都市を通過し、千葉県木更津市を終点としている。従来、これらの都市間をクルマで移動する場合、都心部(特に首都高速道路都心環状線)を通過することを強いられた。だが圏央道が完成することで、これらの中核都市が圏央道で直接結ばれることになる。

 圏央道で現在で供用されている路線は、新湘南バイパスとして開通した「藤沢IC−茅ヶ崎中央IC(1988年開通、約8キロメートル)、「八王子JCT〜川島JCT」(2002〜2008年開通、約42キロメートル)、「つくばJCT〜阿見東IC」(2007年開通、約13キロメートル)、千葉東金道路として開通している「東金IC〜松尾横芝IC」(1998年開通、約16キロメートル)と「木更津東IC〜木更津JCT」(2007年開通、約7キロメートル)だ。

 これらを合計すると86キロメートルとなり、3環状の中では最も長い区間が開通していることになる。しかし、圏央道の予定総延長300キロメートルと比較すると、進ちょく度は約26%にしかならない。進ちょく度が7割を超える中央環状線はもちろん、最終的な完成予定が見えていない東京外かく環状道路(進ちょく度約40%)と比較しても、3環状の中で最も低いことになる。

 しかし、各地で用地買収や工事が急ピッチで進められており、2015年にはほぼ完成する予定となっている。それでは今後、開通する予定の区間を、起点の神奈川県から時計回りに見ていこう。

赤線は開通済み、緑線は未開通(出典:Google Map)
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