第22鉄 駅マンションに新撰組――“情報の秘境”流山線をゆく杉山淳一の +R Style(5/5 ページ)

» 2009年12月29日 12時52分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]
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そのまま歩いて新三郷へ あの「名車」に会いに行く

 官軍は北から攻めてきたそうで、私も逃げるように南下した。流鉄に乗りに来たはずが、ここから武蔵野線の三郷駅が近い。ちょっと冷たい風に当たりながら、夕刻の江戸川を散歩する。道路橋から武蔵野線電車の風景をカメラで追った。イルミネーションで飾られた三郷駅から武蔵野線の電車に乗って、1つ隣の新三郷駅へ。目的は、ららぽーと新三郷というショッピングセンターにある鉄道車両「夢空間」だ。

夕暮れの江戸川を渡る武蔵野線電車

 「夢空間」はJR東日本が1989年に製造した豪華客車。寝台車「オロネ25 901」とラウンジカー「オハフ25 901」、食堂車「オシ25 901」の3両が作られて、上野−札幌間の「北斗星」に連結されたり、イベント列車に使われたり、団体列車としても活躍した。「日本でもオリエント急行のような列車旅を実現しよう」という試みで、インテリアには大手百貨店が参加したという。居心地の良い寝台車というコンセプトは、その後、豪華寝台特急「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」に影響を与えた。

 新三郷にはラウンジカーと食堂車が離れた場所に置かれている。折しもクリスマス商戦期ということで、イルミネーションで飾られていた。日中は車内の見学もできるそうだが、残念ながら今日は到着が遅かった。またあらためて訪問したい。

新三郷駅ららぽーとに保存された「夢空間」。もう一度走ってほしいとも思う

今回の電車賃

流鉄流山線:馬橋−幸谷 120円、幸谷−小金城趾 120円、小金城趾−流山 130円。

JR武蔵野線:三郷−新三郷 130円。


著者プロフィール:杉山淳一

著者近影(2006年5月に閉館した、東京・万世橋の交通博物館にて)

 肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」

 コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。

 趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。


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