伝説の“呼び屋”は何を交渉してきたのか――ドクターKこと、北谷賢司35.8歳の時間(6/6 ページ)

» 2010年05月14日 08時00分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]
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ビジネスで実務を経験し、それを学生たちに伝えたい

――金沢工業大学は3D映画や音楽など分野で、国際的な人材の育成を目指す「コンテンツ&テクノロジー融合研究所」(東京・虎ノ門)を設立した。研究所は4月からスタートし、初代所長に北谷が就任した。

金沢工業大学のコンテンツ&テクノロジー融合研究所で、講義を行う

 この4月からコンテンツ&テクノロジー融合研究所の所長になりましたが、そこでは社会人に、メディアビジネスの最先端の情報を正確に伝えていきたいですね。そのためには海外の第一線で活躍している人たちを、日本に連れてくることも私の仕事。彼らの生の声を聞いてもらい、学生には闊達(かったつ)な議論をしてほしいと思っています。

 いま興味があるのはデジタルシネマ。映画だけではなく、そのほかのコンテンツを配給するビジネスに注目しています。あとは3Dやデジタルサイネージの分野で、正確な情報を発信していきたい。

 私はこれまでビジネスで実務を経験し、それを学生たちに教えてきました。その姿勢は、今後も変えるつもりはありません。自分が学習したことを、そこで終わりにしないで、若い世代にそのやり方などを伝えていきたい。次の日本のメディア産業を担う人材を輩出していきたいし、機会があれば、自分の人脈を紹介していきたいとも思っています。

――北谷のもとには、いまもひっきりなしに大企業の幹部が訪れている。彼らは北谷の知識、経験、人脈……そして交渉術を“学び”に来ているのかもしれない。

 次は何に挑戦したいですか? と聞いたところ「うーん、特にないですね」としたうえで「これまでいろいろな人とタフな交渉をしてきたので、もう怖いものはないですね」と不敵に笑った。(本文:敬称略)

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