第39鉄 夏の青春18きっぷ旅(3)SLだけじゃない! 魅力満載の大井川鐵道杉山淳一の+R Style(1/7 ページ)

» 2010年09月24日 22時30分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

 JRの普通列車に乗り放題の青春18きっぷ。1枚目は信州(参照記事)2枚目は上州(参照記事)と北方面の旅が続いたので、3枚目は西へ向かうことにした。

 東海道線は熱海でJR東日本とJR東海に管轄が別れるせいか、東京−静岡間で使えるおトクなきっぷがない。だから東京から静岡方面への旅に青春18きっぷは最適だ。その静岡には鉄道ファンの聖地とも言うべき大井川鐵道がある。SL列車を毎日運行していることで有名だが、大井川鐵道の魅力はSLだけではない。今回はSL列車の終点、千頭駅からもっと奥へ。トロッコ列車で井川ダムへ行ってみた。

大井川鐵道を走るSL
ALT 今回のルート。GoogleMapsで筆者による各ポイントについての説明が読める

青春18きっぷ旅:バックナンバー

 →夏の青春18きっぷ旅(1)日本三大車窓とJR最高地点を訪ねる

 →夏の青春18きっぷ旅(2)吾妻線、噂の現場を歩く

 →夏の青春18きっぷ旅(3)SLだけじゃない! 魅力満載の大井川鐵道

 →夏の青春18きっぷ旅(4)日本一のモグラ駅をズルい方法で訪ねた

 →夏の青春18きっぷ旅・最終回 富士山外周、山北駅のD52とB級グルメを訪ねる

青春18きっぷとは?

 「青春18きっぷ」はJRの企画きっぷで、JR全線の普通列車(快速含む)の普通車自由席とJR西日本宮島フェリーに1日乗り放題になる。特急や急行列車には乗れないが、普通列車のグリーン車自由席であれば、グリーン券を別途購入すれば乗車できる(ただし、中央ライナー、青梅ライナー、マリンライナーなどは除く)。

 1万1500円で5回使えるため、1枚あたりの値段は2300円ということになる。1人で5日(5回)使ってもいいし(利用日が連続している必要はない)、同一行程であれば5人グループで日帰り旅行に使ってもいい。2人で2日(2回)ずつ使って残り1回を1人で日帰り旅行、という使い方も可能だ。

 「青春18きっぷ」という名前だが、年齢制限はないので大人でも子どもでも利用可能。ただし、利用できるのは年に3シーズンのみ。2010年の利用期間(発売期間)は以下の通りだ。春は2月20日〜3月31日(発売期間:3月1日〜4月10日)、夏は2010年7月20日〜9月10日(利用期間:2010年7月1日 〜 8月31日)。2010年冬の利用期間は9月末現在まだ発表されていない。【編集部】


東京駅始発の普通列車は特急形車両なのだ

 5時20分発の静岡行き。東京駅発の東海道線の始発列車は、青春18きっぷファンには定番の人気列車だ。東海道線の各駅停車で静岡へ行くなら、たいてい熱海で乗り換えになる。しかしこの列車は乗り換えなしで静岡まで行ってくれる。ラクちんである。しかも特急形の車両を使っているから、座席は広々、乗り心地も良い。知る人ぞ知るおトクな列車というわけだ。浪曲「次郎長伝」になぞらえれば、「旅ゆけばぁ〜駿河の国の茶の香りィ〜」「江戸っ子だってね」「おぅ、始発の静岡行きで来たのよ」「あんた、ツウだねぇ〜、寿司食いねぇ」となるわけだ。

東京駅始発の静岡行き普通列車(左)。各駅停車なのにリクライニングシートだ(右)
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