第41鉄 夏の青春18きっぷ旅・最終回 富士山外周、山北駅のD52とB級グルメを訪ねる杉山淳一の+R Style(6/6 ページ)

» 2010年10月19日 12時07分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]
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 久遠寺から奥の院まではロープウェイが通じている。しかし今日の天候では山頂の景色を望めないだろう。ロープウェイとその周辺はリニューアル工事中で、9月下旬には新ロープウェイのゴンドラが運航を開始した。11月には展望台も改築されるとのことだ。デザインはJR九州の特急列車で知られる水戸岡鋭治氏で、鉄道つながりである。桜か紅葉の時期に改めて訪れたい。

頂上を雲に守られた身延山
甲府側は見事な快晴になった

 身延山が車窓から消える頃、山頂を囲んでいた雲の上から太陽が現れた。ビックリするほど場面が変わって快晴である。山も、森も、水田の稲も鮮やかに輝き出す。これが車窓という「動く絵画」の面白さ。富士川の水も透きとおり、輝きを増している。今日は曇天と晴天の2つの景色を同時に見られてトクした気分だ。終わりよければすべてよし。甲府からは中央線の各駅停車に乗る。私の好物「高原野菜とカツの弁当」を食べて帰ろう。今回の旅も完璧だな。うん。

「高原野菜とカツの弁当」のカツはチキンカツ。販売開始から40年以上も作り続けられているロングセラー弁当だ。鶏肉の滋味、シャッキリとしたレタスもうれしい
map 今回のルート。GoogleMapsで筆者による各ポイントについての説明が読める

青春18きっぷ旅:バックナンバー

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 →夏の青春18きっぷ旅(4)日本一のモグラ駅をズルい方法で訪ねた

 →夏の青春18きっぷ旅・最終回 富士山外周、山北駅のD52とB級グルメを訪ねる

青春18きっぷとは?

 「青春18きっぷ」はJRの企画きっぷで、JR全線の普通列車(快速含む)の普通車自由席とJR西日本宮島フェリーに1日乗り放題になる。特急や急行列車には乗れないが、普通列車のグリーン車自由席であれば、グリーン券を別途購入すれば乗車できる(ただし、中央ライナー、青梅ライナー、マリンライナーなどは除く)。1万1500円で5回使えるため、1枚あたりの値段は2300円ということになる。1人で5日(5回)使ってもいいし(利用日が連続している必要はない)、同一行程であれば5人グループで日帰り旅行に使ってもいい。2人で2日(2回)ずつ使って残り1回を1人で日帰り旅行、という使い方も可能だ。

 「青春18きっぷ」という名前だが、年齢制限はないので大人でも子どもでも利用可能。ただし、利用できるのは年に3シーズンのみ。2010年の利用期間(発売期間)は以下の通りだ。春は2月20日〜3月31日(発売期間:3月1日〜4月10日)、夏は2010年7月20日〜9月10日(利用期間:2010年7月1日 〜 8月31日)。


今回の電車賃

JR 青春18きっぷ 2300円(1回分)


著者プロフィール:杉山淳一

著者近影(2006年5月に閉館した、東京・万世橋の交通博物館にて)

 肉食系鉄道ライター(魚介類が苦手)にして、前世からの鉄道好き。生まれて間もなく、近所を走っていた東急池上線の後をついていったという逸話あり。曰く「いつもそばを走ってたから、あれが親だと思った」

 コンピューター系出版社でゲーム雑誌の広告営業を経験した後、フリーライターとなる。オンライン対戦ゲーム、フリーウェア、PCテクニカルライティングなどデジタル系の記事を専門とし、日本初のEスポーツライターとしてオンライン対戦ゲーム競技を啓蒙する。

 趣味は日本全国の鉄道路線探訪で、現在の路線踏破率は約8割。著書は『もっと知ればさらに面白い鉄道雑学256(リイド社)』『知れば知るほどおもしろい鉄道雑学157(リイド社)』『A列車で行こう8 公式ガイドブック(エンターブレイン)』など。


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